再生可能エネルギー市場規模、2021年には2,261億米ドルに拡大 新型コロナの影響は少ない見込み

世界の再生可能エネルギー市場規模は、2020年の1,843億米ドルから2021年には2,261億米ドルに拡大し、CAGR22.7%で成長すると予測されています。IEAは、2020年の世界の石油需要を日量9990万バレルと推定し、2019年の需要から日量約9万バレル減少すると予測しています。再生可能エネルギーは石油に代わる最良のエネルギーであり、環境にも優しいため、近い将来、関連プロジェクトの需要が増加するとみられます。COVID-19の状況下、この市場への影響は少ないと予測されます。

太陽電池部門が最大のシェアを占め、風力部門がこれに続く

再生可能エネルギー市場では、太陽電池部門が最大の市場であり、風力部門がこれに続くと推定されています。予測期間(2019年~2021年)では、フローティング・ソーラーファームやBIPV(Building-Integrated Photovoltaics)などの新しいソーラー技術の利用が増加するとみられます。フローティング・ソーラーファームの設置コストは、整地や土壌処理が不要なため、従来の陸上型ソーラーパネルに比べて安価になります。

風力部門では、風力エネルギー事業者は洋上風力発電にシフトする可能性が高いと思われます。洋上風力発電は、タービンのメンテナンスコスト、物流コスト、熟練労働者の不足により、陸上風力発電所と比較して高いO&M(オペレーション・メンテナンス)コストがかかります。

自家発電用では住宅向けセグメントが最大のエンドユーザー

自家発電向けでは、産業用および商業用サブセグメントと比較して住宅用が最大の市場です。大多数の企業は従業員に在宅勤務の設備を提供していますが、これらの企業は従業員がリモートアクセスできるようにオフィスのPCを作業モードにしておかなければなりません。また、ドイツ、インド、オーストラリア、米国、中国、スペイン、フランス、ロシア、イタリアなどの多くの国では、厳重なロックダウンを実施し、国民に検疫を要請しているため、住宅向けセグメントの需要はさらに増加すると予想されます。

アジア太平洋地域は最大のシェアを占める

アジア太平洋地域は、予測期間中に最大の市場であると推定されています。同地域は、都市化の進展や急速な工業化、人口増加などにより電力需要が高まります。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の最新レポートによると、2019年の同地域の太陽光発電の総設置容量は5万2,144MWで、前年比25%減となっています。また、世界的なCOVID-19パンデミックに関するOECDの報告書によると、中国の電力業界は2019年に設定されたベンチマークから3.67%の乖離を示しています。今後数週間の間に、中国の再生可能エネルギー生産者の大半が操業を再開すると推測されます。これらの企業は2020年後半にクリーンエネルギー目標を達成しなければならないため、需要は高まると予測されます。

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