ライドシェア市場規模、2020年に753億9000万米ドル到達見込み COVID-19の影響により2021年は従来予測から2%下方修正

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 後、世界のライドシェア市場規模は、2020年の753億9000万米ドルから2021年には1,173億4000万米ドルに達し、2020年から2021年までCAGR55.6%の成長が予測されています。ただし、2021年は、COVID-19以前の予測と比較して2%の減少が見込まれています。

この市場の主な推進要因としては、都市化の進展と自動車所有率の低下に伴う個人の移動手段の必要性が挙げられます。また、インターネットやスマートフォンの普及率の高まりや、厳しいCO2削減目標がライドシェアリング市場の成長を牽引しています。

サービスタイプ別で、最も影響を受けるのはカーシェアリング

ここ数年、カーシェアリングは、移動コストの削減、交通渋滞の解消、排出ガスの削減などのプラス要因により人気を集めてきました。しかし、COVID-19の影響により、2020年には50~60%のシェアを失うと予測されています。一方、運転手と同乗者の距離を保つためのパーテーションの設置、車両内の除菌、同乗者の体温を測定する装置の設置など、新たな対策により2021年には70~80%のシェアを獲得すると予測されます。同時に、これらの予防措置が追加されたことで運賃の値上げが見込まれます。

決済サービスは急速に成長

決済サービス市場は最高のCAGRで成長しています。ライドシェアリングサービス事業者は、オンラインでの決済処理に決済ゲートウェイを利用しています。ライドシェアリングサービス事業者の国際的な展開と外貨決済が、この分野の成長を後押しする可能性があります。パンデミック経験後には、ユーザーは感染の可能性を最小限に抑えるために、現金ではなくアプリを使ったオンライン決済を選ぶと予測されます。

電気自動車は将来的にライドシェア市場を混乱させる

COVID-19の分析では、ほとんどの都市の大気汚染レベルが低下していることが報告されています。ハーバード大学のT.H.チャン公衆衛生大学院の研究によると、大気汚染(PM2.5)が多い都市はコロナウイルス感染症にかかりやすいとの発表がありました。同様に、欧州公衆衛生連合(EPHA)は、大気汚染が糖尿病、高血圧、呼吸器疾患の原因となり、コロナウイルスをより致命的なものにすると言及しています。このことを念頭に置くと、電気自動車はライドシェアリング会社にとってより良い選択になると言えます。電気自動車市場は、予測期間中に最速のCAGRで成長しています。この成長は、政府の優遇措置、適切なインフラ、CO2排出量に対する意識の高まりに起因しています。ICエンジン車は、世界的に広く採用され、使用されているため、ライドシェアリング市場では最大のシェアを占めています。

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