IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の市場規模、2025年には66億米ドルへ、CAGRも4.6%で成長すると予測

IGBTの世界市場規模は、2020年の53億米ドルから2025年には66億米ドルへと、CAGR 4.6%で成長すると推定されています。一方、世界のサイリスタ市場規模は、2020年の7億8,100万米ドルから2025年には8億4,900万米ドルに、CAGR 1.7%で成長すると推定されています。これらの市場の成長を促進する要因は、老朽化した電力インフラの置き換えに向けて各国で実施されている政府の取り組みと、産業用、商業用、その他用途での電気モーター採用の増加です。

パッケージングタイプ別では、IGBTモジュールが最大シェア

IGBTモジュールのパッケージング市場の成長は、世界中で電気自動車やハイブリッド自動車の需要に起因しています。IGBTモジュールは、EV/HEV(電気自動車およびハイブリッド自動車)などの高出力用途に適しています。ドイツ、米国、中国、ベルギーなどの国々は、EV/HEVの世界販売に大きく貢献しています。また、世界各国の政府が長距離送電用のHVDC(高圧直流)システムの普及に向けた取り組みを行っており、IGBTモジュールの需要を後押ししています。これらの要因により、IGBTモジュールのパッケージング市場の成長が期待されています。

EV/HEV向けIGBT市場、最も高いCAGRで成長

エネルギー効率や環境への配慮、手頃な価格などからEV/HEVの需要が増加し、最も高いCAGRで成長すると予測されています。さらに、CO2排出量を最小限に抑えるために途上国政府が行っている取り組みが、近い将来、EV/HEVの需要を牽引すると考えられます。例えば、インド政府は国内の電気自動車産業を支援するために14億ドルの補助金を交付しており、IGBTメーカーに有利な成長機会となっています。

APAC(アジア太平洋地域)の IGBT市場は最高のCAGRで成長する

APAC市場の成長は、この地域の高い製造能力と風力・太陽光発電能力に起因していると考えられます。人口の多い中国やインドなど、十分な製造能力を持つ国の存在が市場の成長に大きく貢献しています。さらに、中国、日本、インド、韓国などの国々のEV/HEV市場の隆盛がAPAC市場を牽引すると予想されています。EV/HEVの販売シェアは中国が最大であり、インドは国内のEV/HEVメーカーを支援するための補助金を交付しています。

サイリスタ業界ではAPACが最大のシェアを占める

2019年、APACは世界のサイリスタ市場で最大のシェアを占め、最高のCAGRで成長すると予想されています。これは、人口増加による電力需要の急増に対応するため、より効率的な送電システムへの要求が高まっていることに起因しています。

さらに、この地域には複数のHVDCプロジェクトがあります。例えば、中国は人口が多く、かなりの電力供給を必要とするため、HVDCシステムを採用しています。周山(Zhou Shan)、上海(Gezhouba – Shanghai)、天光(Tian-Guang)、三峡(Three Gorges – Changzhou)などは、主要なHVDCプロジェクトの一例です。

複数のIGBTメーカーとHVDCプロバイダーは、APACでの事業展開に力を入れています。例えば、2019年1月には、ABB Ltd. (スイス)は、インドの国営電力網事業者であるPower Grid Corporation of India Limited(インド)から6億4,000万米ドル相当の契約を獲得しました。この契約により、同社は800キロボルト(kV)の超高圧直流(UHVDC)送電リンクを1,800km以上納入し、8,000万人以上の人々に電力を供給することが期待されています。

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