クラウドセキュリティの市場規模、2028年に629億米ドル到達予測

クラウドセキュリティの市場規模は、2023年の407億米ドルからCAGR9.1%で成長し、2028年には629億米ドルに達すると予測されています。クラウドセキュリティ市場の成長は、マルチクラウド環境の高い採用率、AIやMLなどの先進技術の利用拡大、BYODやCYODトレンドの増加、DevSecOpsアプローチと実践の成長、マルチクラウド環境の採用拡大など、さまざまな要因によって促進されています。

タイプ別に、データセキュリティ部門が成長

データセキュリティは、クラウドサービスを利用してデータを保存する企業が増えるにつれて急速に成長しており、クラウドセキュリティ市場におけるCAGRの成長が最も高いと予測されます。サイバー攻撃やデータ漏洩の増加に伴い、企業はより優れたクラウド情報保護を望んでいます。また、企業が従わなければならないデータプライバシーに関する厳しい法律もあり、リモートで仕事をする人が増えたことで、クラウド上のデータ保護がより重要になっています。クラウドプロバイダーやその他の企業は、クラウド上でデータを安全に保つための専門的なセキュリティソリューションを提供しています。クラウドデータセキュリティの需要は大幅に増加しており、市場で最も急成長している分野となっています。

業種別に、BFSIセグメントが最大

BFSI(Banking, Financial Services, and Insurance:銀行、金融サービス、保険)の業種は、膨大な量の機密性の高い顧客の金融データを扱うため、データセキュリティが重要な関心事となっています。重要なデータセキュリティと顧客の信頼を維持し、GDPR、PCI DSS、SOXなどの厳しい業界規制に準拠するため、金融機関は堅牢なクラウドセキュリティソリューションへの投資に注目しています。さらに、BFSI業界ではクラウド技術の採用が増加しており、クラウドセキュリティソリューションの需要をさらに押し上げています。柔軟性、拡張性、コスト効率を提供するクラウドベースのサービスは、銀行、金融会社、保険会社でも採用されています。一方、このデジタル変革はセキュリティ上の課題ももたらすため、データ漏洩、サイバー脅威、不正アクセスから保護するための高度なクラウドセキュリティ対策が必要となります。こうした懸念に対処するため、BFSI部門は、貴重なデータを保護し、業界規制へのコンプライアンスを確保するための包括的なクラウドセキュリティソリューションを積極的に求めており、クラウドセキュリティ業界最大の市場セグメントとしての地位を固めています。

北米が最大の市場規模を占める

北米は、強固な規制環境と先進的なクラウド導入慣行により、クラウドセキュリティ市場をリードしています。同地域の組織はデータ保護を優先しており、暗号化やデータ脅威対策などのクラウドセキュリティ対策の採用が増加しています。また、北米ではクラウド関連のセキュリティインシデントが多発しており、強固なセキュリティ管理の必要性が強調されています。さらに、官民が協力してガイドラインや革新的なソリューションを開発し、官民パートナーシップによって知識の共有や脅威インテリジェンスを促進しています。厳しいデータ保護規制や、先進的なクラウドセキュリティソリューションとサービスを提供する同地域の主要企業、新興企業、中小企業が、クラウドセキュリティ市場における北米の支配的地位を強化しています。

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