エネルギー管理システムの市場規模、2028年に756億米ドル到達予測

エネルギー管理システムの市場規模は、2023年の407億米ドルからCAGR13.2％で成長し、2028年には756億米ドルに達すると予測されています。エネルギー消費の増加がエネルギー管理システム市場の需要を牽引しています。

成長著しいソフトウェア分野

用途別に、産業用タイプが2023年から2028年にかけて最も成長することが予測されます。エネルギー管理は、どの業界の組織にも必要なものであり、特にクラウドベースのエネルギー管理ソフトウェアが支配的なツールとなっています。クラウドコンピューティングは、サービスプロバイダーがストレージ、サーバー、計算などのITリソースの弾力的なプールにアクセスすることを可能にし、クライアントの需要の拡大や変化に応じてコンピューティング能力を増減できるようにします。スマートビルでは、暖房、換気、空調（HVAC）、照明、エネルギー、セキュリティのすべてが自動化されています。自動化には、屋内外の温度・湿度、二酸化炭素濃度、居住状況などのセンサーデータを必要とします。スマートビルは様々な方法でデータを利用し、エネルギー効率を向上させています。

タイプ別最大セグメント、IEMS

タイプ別にIEMS（Intelligent Energy Management System）セグメントが最大の市場規模を占めることが予測されています。製造環境におけるインダストリー4.0の台頭により、センサー、クラウド分析を使うことで、倉庫や生産フロアなどあらゆるスペースの冷暖房や、ポンプ、発電所、産業機器、さらには車両や照明まで含めたスマートエネルギー管理の移行を実現しました。多くの産業施設は耐用年数が長く必要な技術がまだ市販されていないため、脱炭素化が最も困難な技術のひとつとなっています。効率的な設備の運転とメンテナンスを確保することは、最適なエネルギー性能の保証に役立ち、エネルギー管理システムを導入することによって強化することができます。工場レベルの行動計画を策定し、ベストプラクティスを共有することも、エネルギー効率の改善につながります。

展開別最大セグメント、オンプレミス

展開別に、オンプレミスセグメントが最大の市場規模を占めると予測されています。オンプレミスとは、エネルギー管理システムが企業内のサーバーにインストールされることを意味し、進化や更新が難しく、設計、構築、維持・メンテナンスにはコストがかかります。また、オンプレミスソリューションとは、制御とデータ保存が物理サーバー上で行われることを意味し、オンプレミスオプションでは、設置された現場と、ローカルネットワークに接続されたハードウェアからデータを読み取ります。リアルタイムのデータを見ることはできますが、分析ツールは備えていません。オンプレミス型は、一般的にハードウェア、ネットワーク、バックアップ、開発システムを含む総所有コストがかかるため、導入コストが高額になります。