感染症対策の市場規模、2027年に583億米ドル到達予測

感染症対策の市場規模は、2022年の500億米ドルからCAGR3.1%で成長し、2027年には583億米ドルに達すると予測されています。感染症対策市場の成長は、食品の殺菌・滅菌への関心の高まり、外科手術の増加、滅菌機器の技術的進歩、製薬会社や病院、医療機器メーカーによる滅菌サービスのアウトソーシングの増加などの要因により拡大しています。

内視鏡の再処理用製品が高い成長を記録

製品・サービス別に、市場は、滅菌製品・サービス、洗浄・消毒製品、保護バリア、内視鏡の再処理製品、その他に分類されます。2027年までの間、内視鏡の再処理製品分野が最も高い成長を記録すると予想されます。内視鏡の再処理市場は、診断および治療用内視鏡検査の重要性の高まり、対象疾患の発生率の上昇、老年人口の増加、それに伴う内視鏡検査の増加により成長を示しています。

滅菌受託サービスが2番目に大きなシェア

滅菌製品とサービス別に、市場は、滅菌機器、滅菌受託サービス、消耗品および付属品に分類されます。2021年は、滅菌受託サービスが2番目に大きなシェアを占めました。これは、厳しい滅菌規制、社内滅菌にかかる高いコスト、および、OEMが社内作業を減らすことや、滅菌要件を外注せざるを得ないコスト抑制問題に起因しています。

消毒剤が最も高いCAGRを記録

洗浄・消毒製品別に、市場は、潤滑剤および洗浄液、消毒剤、洗浄および消毒装置、消毒および洗浄付属品に分類されます。消毒剤セグメントは、2027年までの間、最も高いCAGRを記録すると予想されます。これは、さまざまなエンドユーザーセグメントで消毒剤の需要が拡大していること、院内感染の発生を抑えるために、物の表面、病室、手術室、病院施設、医療機器を消毒する用途が拡大していること、食品媒介病原体に関するリスクが高いため食品産業での需要が増加していることに起因していると思われます。

内視鏡再処理消耗品が最大シェアを占める

内視鏡再処理製品別に、市場は、内視鏡再処理装置、内視鏡再処理消耗品、およびその他の内視鏡再処理製品に分割されます。 2027年までの間、内視鏡再処理消耗品セグメントは最大シェアを占めました。 これは、内視鏡処置の急増、前洗浄方法に対する意識の高まり、および臨床医の間での HAI に関する懸念の高まりに起因する可能性があります。

病院・診療所分野は、高い成長を記録

エンドユーザー別に、市場は、製薬会社、病院およびクリニック、医療機器会社、ライフサイエンス業界、食品業界、その他（化粧品業界、栄養補助食品メーカー、獣医業界、長期介護施設や診断・画像センターなどのヘルスケアプロバイダー）に分類されます。2021年は、病院およびクリニック分野が最も高い成長を記録すると予想されます。これは、外科手術の実施件数の増加や、高度な感染予防を確保するための政府施策に起因するものです。

欧州が第2位のシェアを占める

地域別に、2021年は、欧州が2番目に大きなシェアを占めました。これは、主に高齢者人口の増加や、肥満やCVDなどの生活習慣病の蔓延により、年間手術件数が増加していることに起因しています。さらに、同地域では技術的に進んだ製品が普及していることも、市場の成長を後押ししています。