炭素繊維プリプレグの市場規模、2027年に189億米ドル到達予測
炭素繊維プリプレグの市場規模は、2022年の97億米ドルからCAGR14.2%で成長し、2027年には189億米ドルに達すると予測されています。炭素繊維プリプレグは、自己接着性、難燃性、高耐熱性、高強度、高剛性、軽量などの特性を有しており、その種類によって、さまざまな条件に適した特性があります。炭素繊維プリプレグは、主に航空宇宙&防衛、自動車、スポーツ&レクリエーション、風力、その他産業における製造部品に使用されています。

成長著しいホットメルト製造工程
製造プロセス別に、市場は、ホットメルトプロセスとソルベントディッププロセスに分類されます。ホットメルトプロセスの機械は、ソルベントディッププロセスで使用される機械よりも複雑でないため、圧倒的に多く使用されています。また、有機溶剤の消費・排出がなく、危険性が低いことも特徴です。
急成長するフェノール樹脂
樹脂タイプ別に、フェノール樹脂は今後数年で大きく成長すると思われます。フェノール樹脂は鉄よりも軽く、難燃性・防煙性のあるポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂よりも20~30%軽量です。航空宇宙・防衛産業におけるフェノール樹脂の用途には、天井パネル、エンジンナセル、側壁パネル、ギャレー、フロアパネルなどがあります。自動車および鉄道業界では、鉄道の内装、軽量車体、レーシングカーのモノコックなどに広く使用されています。
自動車産業での急成長
最終用途産業別に、市場は、航空宇宙・防衛、自動車、スポーツ・レクリエーション、風力エネルギー、その他に分類されます。金額ベースでは、自動車分野の炭素繊維プリプレグ市場が最も高いCAGRを記録すると期待されています。これは、BMW、Lamborghini、Chevroletなどが製造する電気自動車やハイエンドレーシングカーに対する炭素繊維プリプレグの需要が高いためです。電気自動車の分野では、BMW i3やi8のほか、BMWは次世代7シリーズセダンにも炭素繊維プリプレグを使用しています。
急成長する欧州市場
欧州は、炭素繊維プリプレグの最も成長率の高い最大の市場で、航空宇宙・防衛、自動車、風力エネルギー産業からの需要に牽引されています。炭素繊維プリプレグは航空宇宙・防衛産業で広く使用されており、この地域にはAirbus(フランス)、Boeing(米国)などの大手航空機メーカーが存在することから、炭素繊維プリプレグの最大市場となっています。