テレコムクラウドの市場規模、2027年に325億米ドル到達予測
テレコムクラウドの市場規模は、2022年の115億米ドルからCAGR23.1%で成長し、2027年には325億米ドルに達すると予測されています。テレコムクラウドを利用することによるOPEXとCAPEXの削減が、同市場の成長をさらに後押ししています。同市場は、コンポーネント、展開モード、クラウドサービスモデル、組織規模、NFVソフトウェア、地域別に分類されています。

ソリューション分野は高いCAGRで成長
企業がクラウド機能を活用する上で、煩雑なビジネスオペレーションを軽減するために、ソリューションは重要な役割を担っています。これらのソリューションは、AI、ML、ビッグデータ分析などの新しい技術に基づいており、データの収集、可視化、分析、監視を支援し、価値ある洞察を得るための手助けとなります。また、これらのソリューションにより、通信事業者は、総所有コストを最適化しながら顧客体験を向上させ、エンドユーザーへのサービスを両立しながら、自動化されたネットワーク、ビジネスプロセス、運用のクラス最高の能力を実現し、維持することができます。これには、ネットワーク仮想化、クラウド化、自動化ソリューション、管理・オーケストレーション、クラウドネイティブコア・オーケストレーションソリューションが含まれます。
SaaS分野がより大きな市場シェアを占める
SaaSは、インターネットを利用してオンデマンドでソフトウェアやアプリケーションを顧客に提供するクラウドベースの方式を指します。多くの企業は、従業員の福利厚生と業務効率の向上のためにWFHモデルを採用しており、SaaSベースのコラボレーションソリューションの需要が急増しています。マイクロソフト、セールスフォース、SAP、オラクル、アドビ、IBMなどの先駆者は、さまざまな部門向けのSaaSビジネスアプリケーションを提供しています。
最大の市場シェアを占めるVNF/CNFベース
VNFは、ハードウェアネットワークインフラストラクチャの上にある仮想マシン上で動作する特定のネットワーク機能を管理します。そして、基本的には、ルーター、スイッチ、サーバー、クラウドコンピューティングシステムで構成されています。VNFは、従来のネットワーキングと比較して、より大きな制御性を備えたコスト効率の高い代替手段を提供することで、個々のスイッチ設定を行うことなく、ネットワークトラフィックの集中的制御が可能になります。また、費用対効果に優れ、管理がしやすく、適応性の高いソリューションを提供するため、広帯域を利用する動的なアプリケーションに最適なソリューションと言えます。
アジア太平洋が最も高いCAGRを記録
アジア太平洋地域で事業を展開する大手通信事業者(Mobile China、NTT DoCoMo、Airtel、China Unicom、Vodafoneなど)の加入者数は数十億人に達しており、これらの顧客はクラウドソリューションをすぐに導入することが出来ます。パブリッククラウドサービスは、2020年に38%成長し366億米ドルにたっしました。これは、アジア太平洋地域の企業がパブリッククラウド領域への切り替えを進めていることによるものです。