グリースの市場規模、2027年に69億米ドル到達予測

グリースの市場規模は、2022年の58億米ドルからCAGR3.6%で成長し、2027年には69億米ドルに達すると予測されています。グリースは、自動車、建設、一般製造、金属製造、鉱業、発電、農業、その他の産業で、潤滑油が滞留するようなケースで使用されます。また、グリースは、基油と添加剤、増粘剤から構成されており、水や非圧縮性物質の浸入を防ぐシール材としての役割も果たしています。同市場は、基油、増粘剤タイプ、最終用途産業、地域別に分類されます。

ベースオイル別に鉱油が最大となる

金額ベースでは、ベースオイル別に鉱油が最大となります。これは、鉱物油グリースが合成油グリースよりも安価であることに起因しています。合成油のグリースは鉱物油よりも40%~50%高いため、アジア太平洋、中東・アフリカ、南米など価格に敏感な地域では、鉱油が広く使用されています。一方、政府の規制や環境問題の高まりにより、先進地域では、鉱油は低成長を記録すると予測されています。

増粘剤タイプ別に、金属石鹸が最大シェアを占める

増粘剤タイプ別に、2021年は、金属石鹸が金額ベースで最大のセグメントとなりました。金属石鹸増粘剤は、リチウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウムなど、あらゆる種類の石鹸を含む幅広い用途があります。金属石鹸市場は、自動車、工業製造、鉱業、海洋、金属、電力、建設部門からの需要増によって牽引されています。幅広い用途、酸化安定性、使用温度範囲などが、グリース市場における金属石鹸増粘剤セグメントを牽引する要因となっています。

アジア太平洋地域が急成長する

アジア太平洋市場は、2021年に金額ベースで最大地域となりました。この成長の背景には、都市化の進展、人口の急増、工業化の開花があります。工業生産の驚異的な成長、自動車台数の増加、貿易の増加が、この地域におけるグリースの高い消費量につながっています。

グリース市場の主要企業には、Shell plc(オランダ)、Exxon Mobil Corporation(米国)、BP p.l.c.(英国)、Chevron Corporation(米国)、TotalEnergies SE(フランス)、出光興産株式会社(日本)、Shinopec Group, Ltd.(中国)です。(シノペックグループ(中国)、FUCHS Petrolub SE(ドイツ)、Valvoline(米国)、Petronas(マレーシア)などが挙げられます。

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