がん/腫瘍プロファイリングの市場規模、2027年に160億米ドル到達予測
がん/腫瘍プロファイリングの市場規模は、2022年の97億米ドルからCAGR10.6%で成長し、2027年には160億米ドルに達すると予測されています。同市場の成長は、がん研究への資金投入の増加やプロファイリング技術の進歩が主な要因となっています。また、個別化医療への嗜好やポイントオブケア診断のニーズの高まりは、2027年までの間、市場関係者に大きな成長機会を提供することが期待されています。一方、サンプル採取や保管に関する技術的な問題は、市場成長をある程度抑制する要因となっています。市場は、技術、がんタイプ、バイオマーカータイプ、用途、地域別に分類されます。

技術別に、イムノアッセイセグメントが最大
技術別に、市場は、イムノアッセイ、in situハイブリダイゼーション、次世代シーケンサー(NGS)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、質量分析、マイクロアレイ、その他に分類されます。2021年は、イムノアッセイセグメントが最大シェアを占めました。これは、がんの診断と予後における使用、適切な治療方決定への支援、サンプル中の分析物と濃度を測定するためのゴールドスタンダードとしてのアッセイの採用によるものと思われます。
がんタイプ別に、肺がんセグメントが最高のCAGRで成長
がんタイプ別に、市場は、乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、メラノーマ、その他のがんに分類されます。2027年までの間は、肺がんセグメントが最高のCAGRを記録すると予想されます。これは、早期診断の必要性が高まっていること、および肺がんの発生率が高いことに起因しています。
バイオマーカータイプ別に、ゲノムセグメントが最大シェア
バイオマーカータイプ別に、市場は、ゲノムとタンパク質に分類されます。2021年、ゲノムバイオマーカーは、最大シェアを占めました。これは、ハイスループット技術の進歩と、がん診断および予後の際にこれらのバイオマーカーが多く採用されていることに起因しているものと考えられます。
研究用途が最大シェアで推移
用途別に、市場は、研究用途と臨床用途に分類されます。2021年には、研究用途が最大シェアを占め、臨床用途がそれに続きました。これは、個別化医療の分野が急速に拡大していることと、がん研究への資金提供が増加していることに起因しています。
北米が最大シェアを占有
地域別に、2021年の市場は、北米が最大のシェアを占め、次いで欧州、アジア太平洋、中南米、中東・アフリカの順となりました。これは、バイオマーカーの発見と開発のための投資の増加、個別化治療の需要の高まり、がん研究のための高度なオミックス技術の採用が増加していることに起因すると考えられます。
がん/腫瘍プロファイリング市場で事業を展開する主要企業は、Illumina, Inc.(米国)、QIAGEN N.V.(ドイツ)、NeoGenomics Laboratories, Inc.(米国)、シスメックス株式会社(日本)、HTG Molecular Diagnostics, Inc(米国)、Helomics Corporation(米国)、Caris Life Sciences(米国)、NanoString Technologies, Inc(米国)、Guardant Health, Inc(米国)および Foundation Medicine(米国)などが含まれます。