FRP容器の市場規模、2027年に57億米ドル到達予測

FRP容器の市場規模は、2022年の39億米ドルからCAGR8.0%で成長し、2027年には57億米ドルに達すると予測されています。上下水道や化学産業におけるFRP容器の需要増加が、市場の成長を促進する最も重要な要因の1つであると予測されます。

CNG車とインフラに対する税制優遇措置が市場を後押し

CO2排出量削減のため、アジア太平洋、欧州、北米など様々な地域で圧縮天然ガス(CNG)車に対する税制優遇措置が拡大・延長されています。2019年5月、米国オクラホマ州政府は、CNG車とその燃料補給に適用される税額控除に関する法律を改正し、承認しました。同法案は、2020年1月1日から2027年12月31日まで延長されました。これにより、オクラホマ州は、自動車用天然ガスを最良の燃料の選択肢として、常に全米をリードしていくことになります。さらには、FRP容器の需要を喚起することにもなります。

2019年12月、インドの石油天然ガス省はCNG車のGST(間接税)を現在の28%から5%に引き下げ、ガス車の普及を後押ししました。その結果、FRP容器の需要が高まっています。

水素自動車向け低重量FRP容器の開発でのチャンス到来

水素自動車は、電気自動車と同じように電気モーターで車輪を駆動します。電気自動車では電力を従来のバッテリーに蓄えるのに対して、水素自動車では電力を水素の形で蓄え、燃料電池と呼ばれる装置で電気に変換します。現在、この水素自動車の貯蔵タンクは非常に高価であるため、利用が制限されています。5kgの貯蔵タンクは4000〜4500米ドル程度と、車の総コストに大きな上乗せとなっており、軽量な炭素繊維を使ったクラス4シリンダータンクの研究が進められています。自動車用水素貯蔵FRPタンクのトップメーカーは、Luxfer Group(英国)、Worthington Industries, Inc.(米国)、Quantum Fuel System LLC(米国)、Ullit SA(フランス)、Agility Fuel Systems(米国)などがあります。

課題となる電気自動車のインフラ整備

水素自動車は、韓国や日本などの国で人気があり、それぞれの政府が補助金を出し、必要なインフラを構築するための資金も提供しています。米国では、カリフォルニア州が燃料電池車に対するインセンティブを提供しています。水素自動車は現代社会において持続可能な技術である一方で、水素は天然ガスから開発する必要があるという側面を持ち、その結果、化石燃料を使用することになります。再生可能な資源から製造された水素を使用する努力がされているものの、水素自動車は電気自動車に比べ、エネルギー効率が3倍低く、体積効率も悪く、重量も重いと言われています。また、タンクに燃料を補給するために必要なインフラが不十分で、このことが、FRP容器市場の成長を抑制しています。

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