RWEソリューションの市場規模、2027年に29億米ドル到達予測
RWE (Real World Evidence)ソリューションの市場規模は、2022年の15億米ドルからCAGR15.2%で成長し、2027年には29億米ドルに達すると予測されています。老年人口の増加とそれに伴う慢性疾患の有病率の増加、およびRWEソリューションの使用に対する規制機関からのサポートが、同市場の成長を促進しています。医療・介護サービスを必要とする老年人口が多いことから、多くの国で一人当たりの医療費が増加することが予想されています。EHRや人口健康管理などのソリューションは、過重労働の医療提供システムの負担を軽減するために採用されています。デジタルヘルスソリューションを通じて生成される膨大な量のRWD(リアルワールドデータ)は、臨床結果のより良い理解に役立っており、RWEソリューションの採用は世界的に増加しています。

薬局データセグメントは最速で成長
コンポーネント別に、市場は、データセットとサービスに分類されます。2021年は、高度な分析やコンサルティングサービスを提供できる大量のヘルスケアデータの利用が進んだことで、サービスセグメントが市場を支配しました。データセットセグメントは、異種データセットと統合されたデータセットに分類されます。異種データセットはさらに、臨床設定データ、請求データ、薬局データ、患者主導型データ、その他に分類されます。薬局データセグメントは、薬物乱用防止への取り組みや電子処方システムの採用が進んでいることから、今後、最速で成長することが予想されます。
医薬品開発・承認が市場を席巻
用途別に、市場は、医薬品開発・承認、医療機器開発・承認、市販後調査、市場アクセスおよび償還・適用範囲の決定、臨床・規制上の意思決定に分類されます。医薬品開発・承認セグメントは、腫瘍や心血管系治療薬を中心に臨床試験の数が増加していることから、2021年の市場の多くを支配しました。同セグメントは、さらにがん、循環器、神経、免疫、その他の治療分野に細分化されます。心血管疾患分野は、CVDの有病率の上昇と心血管レジストリの発展により、2027年まで最も速い成長率を示すと予想されます。
北米が市場をリード
北米は、最大の市場シェアを占めています。これは、多くの既存プレイヤーの存在、老年人口および慢性疾患の増加、新薬や医療機器に対する需要の高まり、臨床試験などの調査におけるエビデンス生成の需要増に対応したものです。アジア太平洋地域は、今後、最も高いCAGRを記録すると予測されています。この市場成長は、RWE研究の採用に対する政府の取り組みに起因しています。