スマートカードICの市場規模、2027年に39億米ドル到達予測

スマートカードICの市場規模は、2022年の29億米ドルからCAGR6.3%で成長し、2027年には39億米ドルに達すると予測されています。スマートカードIC市場の成長は、加入者IDモジュール(SIM)、汎用加入者IDモジュール(USIM)、組み込み型加入者IDモジュール(eSIM)カード、安全IDカード、金融カードに対する高い需要が、増え続ける人口とデジタル化および電化への緩やかな移行に起因していると考えられます。

USIM/eSIMsセグメントが最大シェアを獲得

USIM/eSIMsセグメントは、2022年の市場で最大シェアを獲得し、今後も同様に拡大することが予測できます。同セグメントの成長は、スマートフォン、携帯電話、タブレット、スマートウォッチなどの家庭用電化製品やIoTデバイスにUSIM/eSIMが採用されたことに起因しています。多くのスマートフォン製造会社が、最新のスマートフォンシリーズにeSIM技術を取り入れようと取り組みを見せています。例えば、Apple社は第3世代iPad Pro、iPhone XSシリーズにeSIM技術を導入し、iPhone 14シリーズの全製品ラインにeSIMを搭載する予定です。

通信分野のエンドユーザーが最大シェアを獲得

通信分野のエンドユーザーは、2022年のIC市場において最大の規模を占め、今後も成長を続けると思われます。この成長の背景には、高速かつ安全な通信を実現するための3G、4G、5Gの技術開発があり、同時に、スマートフォンにおけるeSIMの採用は、今後増加し続けることが予想されます。技術発展に伴い、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルなどの製品も最新技術に対応するよう進化しており、スマートカードICの需要に拍車をかけています。

欧州地域は全体のシェア2位を獲得

欧州では、国営の医療・健康保険制度の導入が急速に進んでいます。欧州委員会は、国境を越えた医療サービスにおいて、E-111の紙媒体に代わるものとしてICカードの使用を義務付けており、これが欧州のICカード市場の成長につながっています。また、小売取引や入退室管理における非接触技術の採用が進んでいることも、欧州のICカード市場の成長を加速させています。2022年のスマートカードIC市場全体では、欧州が2番目のシェアを占めています。

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