合成ゴムの市場規模、2027年に289億米ドル到達予測
合成ゴムの市場規模は、2022年の230億米ドルからCAGR4.6%で成長し、2027年には289億米ドルに達すると予測されています。合成ゴムの最大用途はタイヤ産業であり、次いで自動車産業と考えられます。合成ゴムは、原油と天然ガスから生産され、主にモノマーの重合によって製造されます。また、天然ゴムに比べて耐油性や耐熱性に優れているなど、多くの利点を持っており、幅広い用途で使用されています。

タイプ別に、SBCが高いCAGRで成長
スチレンとブタジエンが連結したホモポリマーブロックから作られるSBCは、熱可塑性エラストマー(TPE)の分類に属します。力を加えると形状が変化し、元に戻る弾性挙動と、熱を加えると液体のように柔らかく粘性と流動性を持ち、室温で冷やすと固体に戻る熱可塑性挙動をそなえます。SBCには大きく分けて、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)(SBS)、ポリ(スチレン-イソプレン-スチレン)(SIS)、ポリ(スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン)(SEBS)の3種類があります。SBCは、柔軟性が高く、品質安定性、再現性に優れた特性を持ちます。靴はSBCの最大の用途の一つです。SBSブロックコポリマーは、コンパウンド性、接着性などの特性が利用されており、最近では改質アスファルトの原料として人気があり、新しい道路の舗装や高速道路の補修、建設プロジェクトのルーフィングなどに使用されています。SISブロックコポリマーは、そのユニークな特性から人気を博しています。SEBSは、医療業界の数多くの用途で、柔軟なPVCに取って代わりつつあります。
中東・アジア市場は、高いCAGRで成長
中東・アジア市場は、最も急速に成長している地域であり、2027年まで最高のCAGRを記録することが予測されます。サウジアラビアでは、自動車産業と工業生産業が発展しており、合成ゴム市場の主要な成長要因となっています。合成ゴムはタイヤをはじめ自動車用ゴム部品の製造に使用されるため、同国における自動車生産の発展が合成ゴム市場に影響を与える可能性があります。サウジアラビアは世界最大の自動車および自動車部品の輸入国であり、年間約77万台の販売を記録しています。同地域は、2021年の合成ゴムの市場シェアが数量ベースで3.3%に達しており、2022年から2027年の間、金額ベースでCAGR6.2%の成長を記録しています。