エッセンシャルオイルの市場規模、2027年に153億米ドル到達予測

エッセンシャルオイルの市場規模は、2022年の88億米ドルからCAGR11.8%で成長し、2027年には153億米ドルに達すると予測されています。エッセンシャルオイル市場は、キャンディー、菓子、ピクルス、ソフトドリンクなどの食品・飲料業界から、精神疾患、呼吸器感染症、消化器官、嗅覚障害、睡眠障害など、疾患の治療に向けたアロマセラピーとしての使用まで、各分野における需要が増加しています。

エッセンシャル オイルは、単一の植物種の芳香植物から分離された強力な芳香成分です。高濃度で揮発性があり、様々な化学成分からできているため、親植物特有の香りがします。さらに、食品産業において、酸化防止剤、香料、または着色料としての採用も増えており、食品の保存のために使用することも可能です。食肉の安全性と保存性の両方を向上させるエッセンシャルオイルの使用は、主に牛、鶏、羊、ウサギの生肉などの食品に使用されることが増えています。

用途別に、アロマセラピー市場の急成長が予測される

アロマセラピーをはじめとする代替医療の人気が高まり、マッサージ目的で塗布されるエッセンシャルオイルによるリラックス効果から、需要が高まっています。健康業界では、アルツハイマー病や気管支炎、さまざまな循環器系の問題の治療のアロマセラピー用途で、エッセンシャルオイルを取り入れ始めています。ライフスタイルの変化とそれに伴うストレスやうつ病の増加、可処分所得の増加により、アロマセラピーの需要が高まっています。ジンジャーオイル、パインオイル、オレガノオイル、ウィンターグリーンオイルなどは、代替療法で大規模に使用されているエッセンシャルオイルの一部です。

全米ホリスティックアロマセラピー協会(NAHA)、国際アロマセラピスト連盟、カナダアロマセラピスト連盟は、米国とカナダでアロマセラピー資格の基準を制定しています。これにより、エッセンシャルオイル業界は、様々なアロマセラピー製品に異なるオイルを使用することが可能になります。

種類別に、ビタミンCを多く含み魅力的な香りのオレンジ精油が広く利用される

オレンジはビタミンCが豊富で、健康上の利点があります。オレンジ精油の製造には、スイートオレンジ(Citrus sinensis)の果皮が使用され、コールドプレスという技術で、果皮からオイルを抽出します。ブラジルは、世界の約30%の生産量を有するオレンジの産地です。オレンジオイルは、アロマセラピーで最も広く使用されているオイルの一つで、炎症、筋肉のけいれん、組織の損傷、骨折による痛み、頭痛など、さまざまな痛みを軽減することができます。

アジア太平洋地域では、中間層がもたらす国産品の需要が増加

アジア太平洋市場は、インド、中国、日本、ニュージーランド、オーストラリア、その他の地域に分類されます。同地域の生活水準の向上と一人当たりの所得の高さは、ウェルネスとレジャー分野の成長に影響され、エッセンシャルオイルの需要を押し上げています。また、オレンジやレモンなどの柑橘系エッセンシャルオイルの需要は、同地域の消費者の関心を集めており、パーソナルケアや家庭用品の分野で広く使われ、最近では柑橘系エッセンシャルオイルの嗜好品、匂い付け、医薬品物質への使用も増えています。新興国経済、工業化の進展、加工食品需要の増加、高品質な製品に対する消費者の嗜好などを背景に、食品・飲料業界の成長に期待が寄せられています。

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