肥満手術用デバイスの市場規模、2027年に24億米ドル到達予測

肥満手術用デバイスの市場規模は、2022年の19億米ドルからCAGR5.4%で成長し、2027年には24億米ドルに達すると予測されています。市場成長の原動力は、肥満の有病率の上昇と関連併存疾患の発生率の上昇です。

牽引要因:肥満症例の増加とそれに伴う肥満外科手術の増加

肥満手術は、以前は体重を減らすための最後の手段と考えられていました。しかし、この手術は、薬物療法や食事カウンセリングなどの標準的な医療アプローチよりも安全で効果的であるため、長年にわたって人気が高まっています。過去10年間、世界中で肥満手術の件数は増加の一途をたどっています。米国代謝・肥満外科学会(ASMBS)によると、米国で行われる肥満手術の総数は増加しており、さらには関連機器・装置の需要増につながり、肥満手術装置市場の成長を促すことが予想されます。肥満は、世界的に主要な公衆衛生問題であり続けており、肥満手術は病的な肥満や多くの関連疾患に対して最も効果的で長続きする治療法です。肥満状態にある成人の医療費は、健康的な体重の人の医療費より1861米ドル高いと言われています。肥満症手術は、肥満症に関連する多くの合併症の改善または寛解、持続的な体重減少、生活の質の向上をもたらす、高度肥満症に対する効果的な治療法です。

抑制要因:医療機器業界における不透明な規制環境

インドや韓国などの新興国は、医療機器と医薬品を区別する規制体制の確立に向けて懸命に取り組んでいます。医薬品と医療機器の明確な区別がないため、現時点では承認手続きが十分でなく、その結果、遅延が発生しています。不安定な規制の枠組みは、手術用器具の承認時間を増加させ、市場の成長をある程度抑制すると予想されます。

課題:肥満手術に関連する術後の問題

腹腔鏡または低侵襲アプローチによる肥満手術は、創傷合併症の減少、入院期間の短縮、痛みの軽減など、多くの利点をもたらします。しかし、これらの手術には、内ヘルニア、胃食道逆流症(GERD)、慢性悪心・嘔吐、重症ダンピング症候群、潰瘍、栄養失調、炎症性腸疾患など、特定の合併症が伴います。

2021年、低侵襲手術装置セグメントが最大のシェアを占める

デバイスタイプ別に、市場は、低侵襲手術デバイスと非侵襲手術デバイスに分類されます。2021年は、低侵襲性手術機器セグメントが市場を支配しました。低侵襲または腹腔鏡手術の手順は、切開が小さいゆえに、痛みも少なく、開腹手術よりも好まれています。また、術後の回復が早く、合併症や死亡率が大幅に低いことも特徴です。これらの利点は、低侵襲手術機器セグメントの市場成長を促進することが期待されます。

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