フローサイトメトリーの市場規模、2027年に69億米ドル到達予測

フローサイトメトリーの市場規模は、2022年の47億米ドルからCAGR8.1%で成長し、2027年には69億米ドルに達すると予測されています。同市場の成長は、HIV/AIDSや癌の有病率の上昇、研究活動におけるフローサイトメトリー技術の採用拡大、免疫学および免疫腫瘍学研究における官民合同の取り組みの増加、フローサイトメトリーソフトウェアの技術的進歩の上昇が要因となっています。

牽引要因:フローサイトメトリー装置の技術的進歩

業界で事業を展開する主要企業は、合理化されたワークフロー、操作性、ターンアラウンドタイムの改善を提供する高度なフローサイトメトリー製品の開発および商品化に注力しています。このような革新的な製品は、技術的に進化した製品の採用率が高い成熟市場において、需要の伸びを示すと思われます。例えば、2022年3月にBeckman Coulter(a Danaher Corporation company)(米国)は、臨床フローサイトメトリー用の全自動サンプル前処理システム「CellMek SPS」を発売しています。

抑制要因:高い製品コスト

臨床検査センター、大規模研究施設、製薬会社などのエンドユーザーの多くは、複数の研究を同時に行うために多くのフローサイトメトリー装置を必要とします。そのため、これらの機器の調達やメンテナンスに関わる資本コストが大幅に上昇してしまいます。さらに、メンテナンス費用やその他の間接的な費用により、機器の総所有コストは全体的に増加することになります。高い製品導入コストと関連費用が、新興国を中心とした臨床および研究アプリケーションでのフローサイトメトリー機器の採用を妨げています。フローサイトメトリー装置は高度な機能を備えているため、高価格な装置となっています。

市場機会:幹細胞研究における官民ファンドの取り組み

幹細胞研究へのフローサイトメトリーの採用は過去10年間で大幅に増加しました。新興国における規制環境に加え、多くの幹細胞製品パイプラインと疾患の治療における幹細胞の利用が研究活動の推進力となっています。これは、業界における研究活動の増加や官民組織による資金援助にも裏付けられています。2021年9月現在、カリフォルニア再生医療研究所(米国)は、スタンフォード大学(米国)の研究者3名に3100万米ドルを授与し、脳卒中、心不全、脳・脊髄腫瘍の治療に向けた幹細胞のファーストインヒト試験を開始しました。

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