PVB(ポリビニルブチラール)の市場規模、2027年に51億米ドル到達予測

PVB(ポリビニルブチラール)の市場規模は、2022年の37億米ドルからCAGR6.5%で成長し、2027年には51億米ドルに達すると予測されています。自動車、建設、電子・電気などの最終用途産業では、フィルム・シート、塗料・コーティング、接着剤用途にPVBが利用されています。建設業界の鋼管用PVB防錆プライマーや自動車用ガラスラミネートは、今後のPVBの消費を増加させると予想されます。

COVID-19のPVB市場への影響

COVID-19パンデミックの間、世界各国はロックダウン状態に入り、多くの製造業に多大な影響を与えました。生産とサプライチェーンの混乱はPVB市場にマイナスの影響を与えています。

PVB市場は、アジア太平洋地域に大きく集中しており、数量ベースで市場をリードしています。中国、日本、インドなどのアジア太平洋諸国は、COVID-19パンデミックの発生初期にウイルスのホットスポットとなったため、その製造拠点の多くは、ウイルスの拡散を制限するための閉鎖を継続しています。

COVID-19の大流行の結果、中国、日本、インドなどのアジア太平洋諸国は、ウイルスの蔓延を抑えるため、封鎖を余儀なくされました。中国工場の封鎖に連鎖して、製造業ではサプライチェーンに混乱が生じ、2020年には同国への輸出が50%近く減少する事態となりました。中国は、電子・電気機器や自動車産業などの製造業の世界的な拠点となっています。今回のパンデミックは、生産ラインの混乱やサプライチェーンの停滞だけでなく、世界各国の大規模なロックダウンによる人手不足や物流の不活性化も引き起こしています。

牽引要因:自動車産業における窓やサンルーフ用途のPVBフィルムの大量需要

自動車産業などの最終用途産業では、ラミネートガラスにPVB中間膜を使用しています。PVBは耐久性があり、高温下でも化学的に安定した材料です。PVBフィルム・シートは、乗員の安全性向上、騒音低減、紫外線遮断のために広く使用されており、また、眩しさを軽減し、最適な光透過率を実現するため、フロントガラス、バックガラス、クォーターガラス、サンルーフなどにも適した材料です。電気自動車の生産台数は増加しており、車両の軽量化、太陽光制御、デザインの自由度の要求などが、PVB市場にさらなる成長機会を提供するものと思われます。

抑制要因:PVBの高いリサイクル性

PVBのリサイクル施設の存在は、PVB市場の大きな抑制要因となっています。原材料からPVBを製造する場合、エネルギーとコストがかかるため、メーカーはPVBのリサイクルに注力しています。リサイクルPVBはカーボンフットプリントが低く、材料特性も似ているため、メーカーにとってはよりコスト効率の良い方法となっています。

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