エレクトロニクス用接着剤の市場規模、2027年に61億米ドル到達予測

エレクトロニクス用接着剤の市場規模は、2022年の45億米ドルからCAGR6.1%で成長し、2027年には61億米ドルに達すると予測されています。エレクトロニクス産業の急成長により、エレクトロニクス製品の製造・保守における接着剤の需要が高まっています。

牽引要因:電子機器の小型化・自動化への要求の高まり

エレクトロニクス用接着剤は、主に表面実装、PCBや半導体への基板の組み立て、ポッティングや封止、電子回路や製品の製造・組み立てに使用されています。エレクトロニクス市場には、コンピューター、通信、消費財、工業、医療、自動車など、さまざまな産業分野があり、その多様な電子製品は、多種類、多形態のエレクトロニクス用接着剤を必要とします。モバイル機器、タッチスクリーン&ディスプレイ、医療用電子システムなどの小型化・自動化の需要の高まりが、エレクトロニクス産業の推進要因となっており、消費量の増加につながっています。

抑制要因:発展途上国にシフトする生産能力

アメリカ、カナダ、ドイツ、イギリス、フランスなどの先進国は、エレクトロニクス市場が確立されています。これらの国々はエレクトロニクス用接着剤の成熟市場であり、さらなる発展の余地はほとんどありません。このため、電子化学品や電子材料の需要や生産能力は、北米や欧州からアジア太平洋地域へシフトしています。これは、中国やインドなどの存在から、アジア太平洋地域が電子化学品および材料の中心市場になるとの考えに起因しています。さらに、同地域での生産コストの低さも大きな要因となっています。Henkel AG & Co. KgaA(ドイツ)、The 3M Company(米国)などが、アジア太平洋地域への拡張活動を展開しています。製造工場と原材料サプライヤーがアジア太平洋地域へシフトしており、同地域からの接着剤の輸入が増加しています。

市場機会:北米の電子組立産業における技術進歩

北米の電子機器組立産業における技術の進歩と革新により、同地域では鉛ハンダよりも優先的にエレクトロニクス用接着剤が採用されています。北米地域は、家庭用電化製品の消費が多いことから電子化学品や電子材料の企業が最も多く、常に新しい技術の導入に向け動いています。Dow Chemical社(米国)は、エレクトロニクス用接着剤市場において、完璧な製品品質で優位に立っています。3M Company(米国)やH.B. Fuller(米国)などの企業が採用する継続的な技術革新、研究開発活動、開発戦略は、電子・半導体用途の環境に優しい無害なエレクトロニクス用接着剤の進歩のための機会を作り出しています。

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