同期コンデンサの市場規模、2030年に8億1100万米ドル到達予測

同期コンデンサの市場規模は、2022年の6億6100万米ドルからCAGR2.6%で成長し、2030年には8億1100万米ドルに達すると予測されています。同期コンデンサ市場の成長は、送電網の信頼性を向上させるため、電力インフラへの投資が増加していることに起因しています。

牽引要因:持続可能なエネルギー源の利用拡大

各国政府は、地球温暖化、二酸化炭素排出、汚染の増加といった環境問題に取り組むための戦略を実施しており、クリーンエネルギーへの移行の動機付けとなっています。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、2021年の世界の発電設備容量のうち、再生可能エネルギーが占める割合は38%に達しています。太陽光発電(ユーティリティスケール)、分散型発電と蓄電、グリッドスケールのエネルギー貯蔵の大幅な増加など、今後10年間で発電構成は変化することが考えられます。国際エネルギー機関(IEA)によると、2021年から2026年にかけて、世界の再生可能エネルギー発電設備は年平均約305GW増加するとされています。これは、130カ国以上での継続的な政府支援、世界のGDPの約90%を占める国々が宣言したネットゼロ目標、風力・太陽光発電の競争力向上などが要因となっています。

再生可能エネルギー技術への投資は過去10年間に世界的に増加し、2020年には3590億米ドルに達しました。COVID-19の大流行で電力業界が混乱する中、2020年の再生可能エネルギーに対する世界の設備投資額は2019年比で約7%増加しています。急速な技術進歩によりソーラーパネルの設置コストが急速に低下していることが、再生可能エネルギー技術の需要増に寄与しています。このように、再生可能エネルギー発電技術の採用が進んでいることから、今後の同期コンデンサの需要が高まることが予想されます。

抑制要因:高い製造コストとメンテナンスコスト

同期コンデンサの製造コストは、アルミニウムや銅などの高価な原材料を大量に使用するため非常に高くなります。メンテナンスコストは、一般的に同期コンデンサ1台で年間0.4米ドル/kVArから0.8米ドル/kVArの範囲になります。無負荷で運転するためには、設備を連続的に機能させるために相当な電力を必要とします。通常、新規の同期コンデンサの設置費用は数十万米ドル/MVArかかりますが、発電機から同期コンデンサへの改造や改修にかかる費用は2万米ドル/MVArから5万米ドル/MVArで済みます。

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