プログレッシブキャビティポンプの市場規模、2027年に28億米ドル到達予測

プログレッシブキャビティポンプ(PCP)の市場規模は、2022年の22億米ドルからCAGR5.3%で成長し、2027年には28億米ドルに達すると予測されています。同市場の成長は、発展途上国の上下水道処理施設での導入が進んでいることに起因しています。また、石油・ガス探査への投資が増加していることも、市場の需要を促進しています。

COVID-19のプログレッシブキャビティポンプ市場への影響

各国政府は、COVID-19の蔓延を最小限に抑えるため、事業活動の縮小を余儀なくされました。さらに、パンデミックの封じ込めのためにロックダウンが課せられたため、多くの地域の企業が製造施設やサービスを停止しなければなりませんでした。その結果、供給不足により原材料の調達コストは上昇しました。このように、パンデミックは短期的にはプログレッシブキャビティポンプの需要にマイナスの影響を及ぼしています。

牽引要因:油回収強化などの上流工程での需要

プログレッシブキャビティポンプは、石油・ガス、水・廃水処理、食品・飲料、化学・石油化学など、さまざまな産業における高粘性流体の処理に適しています。これらの産業では、研磨剤やスラッジなど、低粘度から高粘度まで様々な流体を扱います。石油・ガス業界では、上流工程での探査活動で高粘度流体を取り扱うため、PCPのニーズが急増しています。また、原油の増進回収法では、地下から汲み上げる流体を効率的に処理するために、プログレッシブキャビティポンプが重要な役割を担っています。カナダは、ベネズエラとアルバータに最大の重質油埋蔵量を有しています。World Oil Outlook 2021によると、カナダのアルバータ州には、1700億バレル以上と推定される膨大な石油の埋蔵量があります。同州の石油生産量は2020年に日量520万バレルだったものが、2026年には日量560万バレルに増加すると予想されています。カナダ、ブラジル、コロンビア、メキシコ、米国、コンゴ、ベネズエラ、マダガスカル、ロシアなどでは、石油・ガス探査や精製能力拡張のための投資が増加しています。アジア太平洋地域の国々は、シェールガス探査への投資を増やしています。インドでは、Cairn Oil and Gas社がラジャスタン州での探査プログラムに今後3年間で50億米ドルを投資することを計画しており、このプロジェクトは同国の石油・ガス需要の50%を生産することを目指しています。このように、石油・ガス事業におけるさまざまな地域での動きは、近い将来、プログレッシブキャビティポンプの需要を増加させると予想されます。

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