サイバーセキュリティ保険の市場規模、2027年に292億米ドル到達予測

サイバーセキュリティ保険の市場規模は、2022年の119億米ドルからCAGR19.6%で成長し、2027年には292億米ドルに達すると予測されています。市場を牽引する主な要因としては、巧妙なサイバー攻撃の増加により金銭的損失への恐怖が増幅していること、今後導入されるさまざまな規制へのコンプライアンスの必要性が高まっていることなどが挙げられます。

COVID-19のサイバーセキュリティ保険市場への影響

COVID-19パンデミック危機の中、様々な政府や規制当局が、公共および民間組織に対して、遠隔地での作業や社会的距離を維持するための新しい手法を取り入れることを義務付けています。それ以降、デジタルなビジネスが、組織の新しい事業継続計画(BCP)となっています。BYODデバイスの普及、WFHの傾向、世界中に行き渡ったインターネットの普及により、個人はデジタル技術の使用を増やしており、サイバー保険対策の必要性を高めています。サイバー保険の導入により、企業はサイバー犯罪や悪意のある脅威から事業を守り、セキュリティ体制を維持することを可能にします。

牽引要因:規制や法整備の急増によるサイバーセキュリティ保険の需要増

政府規制機関や法執行機関は、データセキュリティと保護を強化するために多くのイニシアチブをとっています。COVID-19の登場により、契約者、ブローカー、保険会社、代理店は、サイバーセキュリティ保険の必要性を認識するようになりました。例えば、2020年2月、カリフォルニア州議会は、すべての州の契約者を対象に、規制・保護された個人情報の処理にサイバーセキュリティ保険を義務化する法案を提出しました。米国における個人識別情報(PII)や医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などのデータプライバシー法の高まり、世界標準である支払カード業界データセキュリティ基準(PCI DSS)、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)は、サイバーセキュリティ保険対策への注力を提言しています。デジタル化の進展により、COVID-19の大流行時には、サイバー攻撃の割合は驚異的に増加しており、データセキュリティにおける複雑なガバナンス要件や規制が、将来的にサイバーセキュリティ保険市場の採用を促進すると予想されます。

抑制要因:サイバーセキュリティ保険費用の高騰

サイバーセキュリティ保険費用の高騰は、サイバーセキュリティ保険市場の成長を抑制する要因となっています。保険会社は、過去2~3年のランサムウェア攻撃により、高額な保険金を支払わなければなりませんでした。サイバーセキュリティ保険会社が身代金額を補償しない場合でも、侵害されたシステムの復旧費用は高額になります。サイバーセキュリティ保険会社は、ランサムウェア攻撃時のハッカーとの交渉やデータ復旧の支援など、サービスの付加による追加コストをカバーするために補償費用を引き上げています。

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