ファーマシーオートメーションの市場規模、2027年に82億米ドル到達予測

ファーマシーオートメーション(薬局自動化)の市場規模は、2022年の56億米ドルからCAGR7.9%で成長し、2027年には82億米ドルに達すると予測されています。これは、人件費削減のための自動化への注目と、特殊薬剤調剤の増加によってもたらされています。また、ファーマシーオートメーション企業は、新興国でのプレゼンスを拡大することで、新たなビジネスチャンスを求めています。しかし、システムの導入にかかる高コストと、製品の発売を遅らせる厳しい規制が、市場の成長を抑制する可能性があります。

COVID-19による薬局自動化市場への影響

ファーマシーオートメーション市場は、今後2年間にCAGR 7.7〜8.0%で成長すると予想されています。市場の成長を形成する上で重要な役割はいくつかあります。

COVID-19の発生により、医薬品業界は2020年と2021年に大きな成長を記録する一方で、原材料から製造、配送までの業界のサプライチェーン全体が大きな影響を受けました。

COVID-19の高い感染率により、病院での投薬や調剤の需要が増加し、重篤なCOVID陽性患者に救命処置を施すための薬剤の需要が高まりました。COVID陽性患者の約15%は入院が必要で、薬局から常に調剤を受ける必要がありました。

自動化システムへの需要のシフトにより、主要プレーヤーは、製造能力の戦略化、新製品開発、COVID-19必需品のサプライチェーン戦略の模索を余儀なくされました。

牽引要因:投薬ミスを最小限にするニーズ

投薬ミスや調剤ミスは、病院再入院の主な原因として認識されています。医師と薬剤師間の不十分な注文伝達、薬局での危険な保管方法、薬剤の準備や調剤時、薬剤投与時に類似したラベルや薬剤処方箋から生じる混乱などが、投薬ミスの主要因とされています。自動化システムは、このようなエラーを最小限に抑えるための最も効率的なソリューションのひとつと考えられており、過去には、自動調剤棚(ADC)や自動調剤機(ADM)の病院への導入が成功し、病院における調剤過誤や投薬過誤の件数を大幅に減少させることにつながった事例があります。

抑制要因::高額な初期投資

ITは便利なものですが、医療関係者や医療従事者の中には、ITを活用した薬局経営への取り組みに消極的な人も少なくありません。特に新興国では、文化的な障壁が絡むとそれが顕著になります。そのため、多くの薬剤師は支援を望まず、調剤レジメンの一部として薬局自動化システムを採用することに消極的です。自動化された薬局システムの利点は大きく、広範な採用がこれを証明していますが、今までは、自動化システムのインストールから得られる投資収益(ROI)を正当化できるのは、大規模な薬局と病院だけでした。

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