クライオジェニックポンプ(極低温ポンプ)の市場規模は、2027年に15億米ドル到達予測

クライオジェニックポンプ(極低温ポンプ)の市場規模は、2022年の12億米ドルからCAGR4.6%で成長し、2027年には15億米ドルに達すると予測されています。同市場の主な促進要因には、エネルギー・電力産業、および、石油・ガス部門からの極低温ガスに対する需要の増加が挙げられます。

COVID-19クライオジェニックポンプ市場への影響

COVID-19パンデミックは、世界経済に悪影響を与え、各国政府によるウイルスの拡散を防ぐための封鎖措置が行われることとなりました。この結果、エネルギー・電力、冶金、化学、電子、運輸など、さまざまな業界の操業が大幅かつ迅速に縮小されました。2022年3月10日現在、220カ国がパンデミックの影響を受け、各種産業の操業停止は、石油・ガスの需要に悪影響を及ぼし、クライオジェニックポンプの需要を低下させています。その後、ワクチンの開発により、経済が回復し、中断や延期された産業活動が再開されました。エンドユーザー産業の発展により、石油・ガスセクターの操業は再開し、クライオジェニックポンプの需要拡大が期待されています。

一方、上記の産業とは対照的に、ヘルスケア産業では、クライオジェニックポンプの高い需要が目撃されていました。酸素は重要なガスであり、医療現場で液体酸素を製造し、医療施設に運搬して、蘇生などの用途に使用するなど、パンデミック時にはヘルスケア産業のさまざまな用途で多くの需要に直面しました。そのため、タンクやデュワーといった貯蔵用の極低温機器の需要が高まりました。また、酸素の運搬を補助するためにも、クライオジェニックポンプが使用されました。

牽引要因:エネルギー・電力産業における産業ガスの高い需要

石油産業は、極低温ガスの主要な消費者です。石油・ガスの精製やその他の下流工程では、化学合成のために窒素、水素、酸素、二酸化炭素などの産業ガスが消費されます。また、窒素や二酸化炭素は、石油増進回収法(EOR)の注入流体として有効活用され、油田プロセスではガス循環、貯留層圧力維持、ガスリフトなどに広く利用されています。

石油とガスの需要増が予想されるため、油田オペレーターは既存の資産からの増産、または探査とそれに伴う生産活動に注力しています。これらの油田では、液化した産業用ガスを扱い、有用な気体形態に変換するために、クライオジェニックポンプが必要とされています。このように、EORによる既存の成熟した油井からの石油生産と、世界中で新たに掘削された油井からの石油生産の増加が、クライオジェニックポンプ市場の成長を促進することが予想されます。

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