軍用バッテリーの市場規模、2027年に16億米ドル到達予測

軍用バッテリーの市場規模は、2022年の13億米ドルからCAGR4.1%で成長し、2027年には16億米ドルに達すると予測されています。軍用バッテリー業界は、高度な軍事システムにおける軽量かつ高出力密度の電池の使用増加によって牽引されており、防衛軍による防空システムや電子戦システムなど、さまざまな種類のシステムとともに、軽量かつ高出力密度の軍用バッテリーの需要が世界的に高まっています。防衛軍による無人航空機(UAV)や携帯型デバイスなどの配備の増加は、システム全体の小型化につながるため、軽量、高出力、長寿命の軍用バッテリーの需要をさらに押し上げています。例えば、無人偵察機で使用されている、停電時に安全に着陸させるための大型Dサイズリチウム一次電池パックは、小型で高出力の単3形リチウム電池に置き換えられつつあります。これらの電池は、UAV全体のサイズを小さくするだけでなく、耐久性も向上させることができます。EnerSys(米国)、GS Yuasa International Ltd(日本)、Saft(フランス)、Exide Industries(インド)、EaglePicher Technologies(米国)など、多くの有力企業が軍用バッテリー市場で事業を展開しています。

牽引要因:地上車両とUAVの採用拡大

多くの国が、情報、監視、偵察の任務のために無人航空機(UAV)、軍用車両、軍用艦船を採用しています。米国とイスラエルがそれぞれ開発したプレデターやヘロンなどの新世代UAVは、敵対する地上目標への攻撃など、さまざまな戦闘任務に採用されています。米国陸軍は、既存のプラットフォームを新しい先進的な戦闘車両に置き換える、次世代戦闘車両プログラムを開始しており、オプションで有人戦闘車両、装甲多目的車両、機動防護火力、ロボット戦闘車両、決定的殺傷力プラットフォームが開発されています。このプログラムは、2035年までに完了する予定です。軍隊が取り組むこのような新しいプロジェクトには、軍用バッテリーやワイヤーが必要となり、米国や英国などでは、戦闘、監視、諜報任務のため、軍用車両やUAVへの投資を増やしています。防衛軍による地上車両やUAVの採用が進むことで、軍用バッテリー市場は拡大します。

抑制要因:リチウム電池に関する規制

リチウム電池は、必要なときに非常に大きな電流を供給することができる一方で、短絡すると急速な放電を起こし、電池が過熱することがよくあります。特に塩化チオニルリチウム電池やコバルト酸リチウム電池は過熱しやすく、破裂して爆発することもあります。そのため、国際航空運送協会(IATA)は、リチウム電池の航空輸送に一定の制限を設けています。英国、米国、日本などの政府は、リチウム電池の空輸を禁止しています。

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