ホットメルト接着剤(HMA)の市場規模、2027年に114億米ドル到達予測

ホットメルト接着剤(HMA)の市場規模は、2022年の91億米ドルからCAGR4.8%で成長し、2027年には114億米ドルに達すると予測されています。アジア太平洋地域におけるアプリケーションタイプ別のパッケージングソリューションのブームが、HMAの需要増につながると予想されます。

牽引要因:DIY用途での高い需要

ホットメルト接着剤は、セラミック、布、紙、段ボール、金属、プラスチックなど、さまざまな素材に接着することができるため、DIY用途に適しています。DIYは北米や欧州などの先進国では盛んですが、インド、UAE、トルコなどの新興国では比較的新しい市場です。DIYの用途としては、工芸品、木工品、雑貨のパッケージなどが挙げられ、スティック状のものが、その使いやすさと、HMAガンの入手のしやすさから、広く使われています。中国やインドなどの新興国と比較すると、人件費や施工費が高い欧米諸国ではDIYが一般的で、ホットメルトシステムは、必要な床面積や人件費の面で費用対効果が高く、これは、大型の乾燥炉や硬化炉、公害防止装置の運用コストを省くことができた結果であると考えられます。また、溶剤系では避けられない溶剤回収や焼却の設備も、ホットメルト系では不要となり、設置費やメンテナンス費が削減できることから、DIY用途での需要が急増しています。

抑制要因 HMAの熱抵抗の低さ

HMAは流動点に近い温度で高い効果を発揮するため、包装材や衛生用不織布など様々な用途での接着を容易にすることができます。しかし、耐熱性が低いため、高温では限界があり、溶剤系や水系接着剤に置き換えられます。

市場機会:アジア太平洋地域と南米におけるパッケージングと不織布アプリケーションのブーム

UNFPAの報告書によると、アジア太平洋地域の人口は世界の約60%を占めています。人口の増加に伴い、食品やヘルスケア製品の消費量も増加することが予想されます。食品包装は、欧米では市場への浸透度が高く、着実な経済成長を遂げているため、成熟した市場となっています。その結果、包装市場はアジア太平洋地域や南米などの発展途上地域にシフトしています。特に中国、インド、マレーシアなどの発展途上国の都市部では、ライフスタイルの変化に伴い、過去数年間にパッケージングされた食品の消費が増加しています。工業用およびバルクパッケージングソリューションの増加は、新興市場におけるHMAの需要を押し上げています。また、ライフスタイルの変化により、赤ちゃん用おむつ、生理用品、大人用おむつなど、不織布製品に対する消費者の意識が高まっています。特に高齢化、乳幼児、女性といった消費者の人口動態の変化が原動力となっています。中国、インド、ブラジル、チリなどの新興国は、HMA市場、特に不織布用途のセグメントで、高いCAGRを記録すると予測されています。このため、世界のプレーヤーは、これらの新興市場での足場を拡大するための投資戦略に注力しています。

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