腱板損傷治療の市場規模、2026年に12億4,400万米ドル到達予測

腱板損傷治療の市場規模は、2021年の9億8,900万米ドルからCAGR4.7%で成長し、2026年には12億4,400万米ドルに達すると予測されています。市場の成長を後押しする要因には、スポーツによる肩の傷害の増加、関節鏡手術の技術的進歩、変形性関節症を持つ高齢者の増加、高度な関節鏡治療装置の発売に向けたプレイヤーの取り組みなどが挙げられます。一方、熟練した専門家の不足、手術の失敗率の高さ、コストの高さなどが、腱板損傷治療における主な課題となっています。

COVID-19の 腱板損傷治療市場への影響

COVID-19の影響を分析するために結成された120カ国の研究イニシアチブ、The CovidSurg Collaborativeによると、2020年は世界中で約2,840万の選択的手術がキャンセルされたと報告しています。また、手術センターの組織的な一時閉鎖、緊急性のない治療に対する病院のアクセス制限、診療所へのアクセス制限、社会的距離の保持、全国的なロックダウン、入院患者の流入および患者紹介の鈍化などにより、腱板損傷治療市場が影響を受けています。

牽引要因:スポーツに関連した肩の負傷の増加

肩にかかる負担から、肩に関連する運動は腱板腱炎の発症につながり、肩の痛みや脱力感をもたらし、腕の動きを制限します。上肢のトラブルはスポーツ傷害の3分の1を占めています。野球、テニス、ハンドボール、バレーボールなどのスポーツ選手は、外傷や転倒などの急性のトラブルを経験します。このトラブルは、腱板挫傷や腱板断裂の腱障害に発展し、傷害の重症度を増す可能性があります。米国では、年間約350万件のスポーツ傷害の登録があります(出典:National Electronic Injury Surveillance System、2019年時点のデータ)。

抑制要因:関節鏡下外科手術に伴う高額なコスト

中国やインドなど、保険の適用人口が少ない新興市場においては、関節鏡手術の費用が高いことが懸念材料となっています。インドでは、外来での肩関節鏡治療の平均コストは3,000~5,000米ドルと高額です。このような高価な治療法は、肩関節鏡の検査価格を低下させ、この市場の成長を制限しています。また、低所得国の外科手術環境は、認知度と手頃な価格が不足しているため、新製品の採用に消極的であり、この市場の成長をある程度妨げると予想されます。

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