デジタルパソロジーの市場規模、2026年に13億7,100万米ドル到達予測

デジタルパソロジーの市場規模は、2021年の7億3,600万米ドルからCAGR13.2%で成長し、2026年には13億7,100万米ドルに達すると予測されています。同市場の成長は主に、ラボの効率性を高めるためのデジタルパソロジーの採用拡大、がんの発生率の上昇、薬剤開発やコンパニオン診断におけるデジタルパソロジーの用途拡大などの要因によってもたらされています。

COVID-19のデジタルパソロジー市場への影響

パンデミックによる患者数や死亡者数が増加する中、様々なソリューションプロバイダーが病院の検査室やその他の検査施設などの医療機関と連携し、COVID-19のスクリーニングや診断の検査件数の増加に対処しています。

COVID-19のパンデミックでは、欧州、米国、インド、オーストラリアなど、ほとんどの国が完全なロックダウンに従いました。この封鎖と社会的距離の制約から、CLIA認定検査機関で行われる診断検査へのリモートアクセスを支援するデジタルパソロジーソリューションの利用が増加しました。デジタルパソロジースキャナーとストレージの売上は、顧客への機器のデモンストレーションに必要な相互作用の欠如と検査室で行われる病理検査の数の減少により、2019年から2020年に減少しました。しかし、2020年以降はデジタルパソロジーソリューションの需要が増加しています。患者ケアの継続を促進し、医療従事者がコロナウイルスにさらされるリスクを低減し、重要な病理学的サービスの中断を防ぐのに役立つことが、同市場の成長を牽引しています。

牽引要因:ラボの効率性を高めるためのデジタルパソロジーの採用増

デジタルパソロジーは、コスト削減、ターンアラウンドタイムの短縮、専門知識へのアクセスをユーザーに提供することで、ラボの効率化に貢献します。患者や医師は診断の決定をラボの結果に依存し、診断テストは迅速かつ正確に完了し報告されることが求められるため、ラボの効率化は非常に重要です。さらに、ウェブサービスを通じてデジタルスライドにアクセスすることで、病理医の輸送コストや移動時間を削減することができます。COVID-19パンデミックの発生により、ロックダウンや社会的距離の制限が実施されるようになりました。このような制限下で、病理医が遠隔で一次診断の診断結果を見ることができる、デジタル病理ソリューションへの需要が高まっています。

制約条件:デジタルパソロジーシステムのコスト高

スライドスキャナ、画像サーバー、ソフトウェアを含む一般的なデジタルパソロジーシステムは、約50万米ドルから70万米ドルの費用がかかります。アジア太平洋地域におけるデジタルパソロジースキャナーの平均価格は約11万~13万米ドルです。多額の資本予算を持つ大病院ではこれらのシステムを購入することができますが、予算やITサポートに制限のある病理医や学術機関では購入できないことがよくあります。特にインド、ブラジル、メキシコなどの発展途上国の医療機関は、このような高価な技術に投資するための資金力が乏しいのが現状です。さらに、デジタル病理システムの効率的な取り扱いとメンテナンスには、訓練を受けたスタッフが必要です。このようなシステムの高コストと、デジタルパソロジーシステムを操作できる熟練スタッフの不足という課題が、これらのシステムの採用を制限しています。

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