レシチンおよびリン脂質の市場規模、2027年までに75億米ドル到達予測

レシチンおよびリン脂質の市場規模は、2027年までに75億米ドルに達すると予測されています。天然素材に対する需要の高まりにより、ベーカリーや製菓、コンビニエンスフード、飼料製品におけるレシチンの使用量が増加しています。外食産業やフードサービス店の増加が、食品・飲料業界における食品添加物としてのレシチンの需要を促進しています。レシチンおよびリン脂質市場は、コンビニエンスフードへの消費者の嗜好の変化、労働文化の変化、小売業界の世界的な拡大によって牽引されています。一方で、遺伝子組み換え(GM)製品に関連する健康問題が、市場の成長を抑制すると予想されます。同市場は、2022年にアジア太平洋地域が支配すると推測されています。

COVID-19がレシチンおよびリン脂質市場に与える影響

COVID-19パンデミックは、食品・飲料業界全体に多大な影響を及ぼしています。隔離規則により、供給不足が発生し、市場のプレーヤーの足かせとなっています。同時に、食品・飲料業界向けの原材料の製造・供給が減少しています。

一方、パンデミックは、顧客の食の好みを大きく変え、健康的で栄養価の高い食品を多く取り入れるよう促しています。その結果、今後数年間は、天然由来の非遺伝子組み換え製品に対する消費者の需要が高まることが予想されます。

牽引要因:天然食品添加物やクリーンラベル製品に対する需要

化学成分による悪影響に対する消費者の意識の高まりと、代替となる天然または有機成分の存在が、天然果実・野菜添加物の需要を後押ししています。無添加と天然は、食品・飲料製品を購入する際の消費者のチェック対象となっており、米国やEU諸国などの先進国では、成分表示が義務化されています。消費者は、おいしくてカロリーの低い天然素材や天然由来製品を求めています。これまで指示されてきた人工素材や非有機素材の、天然の代替品への置き換えが進んでいます。天然食品添加物の需要は増加しており、メーカーは天然成分を使用した多くの製品を発売しています。食品乳化剤の一種であるレシチンは天然由来であるため、業界による採用が増え、市場成長の原動力となることが予想されます。

抑制要因:レシチンおよびリン脂質の代替となる合成乳化剤の存在

レシチンやリン脂質などの天然乳化剤の替わりとして、モノ&ジグリセリドおよびその誘導体、ソルビタンエステル、ステアロイルラクチレート、ポリグリセロールエステルなどの合成乳化剤が利用されています。

天然物の供給源は限られています。レシチンやリン脂質などの天然乳化剤はまだ大規模に製造されておらず、その製造プロセスは、商業化されていません。これらの天然乳化剤が広く商業化されれば、食品用乳化剤市場におけるシェアは一気に高まると思われます。高品質で信頼できる天然乳化剤の研究が進み、食品の品質を維持するためのテストが行われています。

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