バイオコンポジットの市場規模、2026年には512億米ドル到達予測

バイオコンポジットの市場規模は、2021年の244億米ドルからCAGR16.0%で成長し、2026年には512億米ドルに達すると予測されています。同市場は、建築・建設、輸送、消費財、その他の最終用途産業からの需要増により成長しています。一方、COVID-19の影響により、多くの産業の売上が減少したことで、バイオコンポジットの需要が減少しています。

COVID-19がバイオコンポジット市場に与える影響

COVID-19は、最終用途産業からの需要の減少により、バイオコンポジットの需要にマイナスの影響を与えています。建築・建設は、バイオコンポジットの主要な最終用途産業であり、パンデミックの直接的なマイナスの影響を受けたことで、同市場の需要に大きな影響を及ぼしています。

牽引要因:環境に優しい製品の使用に向けた政府の規制

ドイツ、米国、日本などの先進国では、石油系製品に代わる環境配慮型製品の使用拡大に力を入れており、欧州連合(EU)では、すでに、そのような製品が好んで使われています。EUは、バイオベースの材料の使用、自動車部品のリサイクルの促進、さらに、自動車メーカーに自動車の耐用年数終了後の廃棄の責任を負わせることを主張しています。しかし、北米の状況は、世界の他の市場ほど自動車メーカーにとって厳しいものではありません。日本政府は2030年までにプラスチック消費量の25%を再生可能な製品で代替する目標を掲げています。

EU委員会によると、欧州の自動車産業は毎年8万トンの植物繊維と木材繊維を、他の合成繊維の代わりに複合製品の補強材として使用しており、同時に、自動車の内装部品にリサイクル可能な生分解性部品を使用することを重視しています。今後、輸送用最終用途産業におけるバイオコンポジットの使用は増加すると思われ、他にも、建築・建設、電気・電子などの最終用途産業におけるバイオコンポジットの需要も増加すると考えられます。

抑制要因:ガラス繊維と比較して低い強度

天然繊維のコンポジットは、ガラス繊維や炭素繊維などの合成繊維と比較すると、繊維とマトリックスの界面結合が低いため、機械的性能が低く、強度も比較的低くなります。すべての植物ベースの繊維は親水性で極性があります。 天然繊維は、親水性(水を吸収する)のヘミセルロースとペクチンで構成されています。 熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などのポリマーは非極性で疎水性であるため、繊維とマトリックスの間に互換性の問題があります。しかし、繊維に化学的な前処理を施すことで機械的強度を高めることができます。合成繊維と異なり、天然繊維は熱的に不安定であり、約392°Fで熱劣化が始まりますが、これは特定の製造プロセスではサポートされていません。さらに、繊維の分離と分散が不十分なことは、バイオコンポジットの欠点であり、その普及を制限する原因となっています。

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