塗料およびコーティングの市場規模、2026年に2,120億米ドル到達予測

塗料およびコーティングの市場規模は、2021年の1,840億米ドルからCAGR2.9%で成長し、2026年には2,120億米ドルに達すると予測されています。市場の成長を促進する主な要因として、最終用途産業からの需要の増加が挙げられます。 APAC(アジア太平洋)地域のエンドユース産業では、住宅部門が堅調であることから、塗料・コーティングの需要増加につながると考えられます。

COVID-19 の塗料およびコーティング市場への影響

IMF(国際通貨基金)の情報によると、2020年には2008年の世界経済危機と同じかそれ以上の不況が起こると言われています。IMFは、2020年から2021年にかけて、世界経済の総生産高が9兆米ドル減少すると警告しており、経済へのダメージは、COVID-19ウイルスが欧州や米国、その他の主要経済国でどのように広がるかに依存しています。

エコノミストは、中国経済について、自国製品に対する世界的な需要が減少することで、さらに打撃を受けると予測しています。パンデミックが拡大するにつれ、不安定な市場と信用ストレスの増大を背景に、成長率は急激に低下するものと思われます

中国経済は予想を上回る打撃を受けたものの、市場はいったん安定しつつあります。欧米では、旅行や交通機関の規制が強化され、ロックダウンが長期化することで需要が崩壊しました。その後、第2四半期に少し回復を見せ、年の後半には大幅な回復が始まると予想されます。

中央銀行は、政策金利の大幅な引き下げ、資産購入の再開、流動性の注入などを組み合わせて実施しています。財政当局は全般的に遅れをとったものの、財布の紐を緩め始めています。今後、最も被害を受けたグループに対して、より大規模で的を絞った資金の流入が行われると思われます。

牽引要因:環境規制によるVOCフリー塗料の需要拡大

ECS(Eco-product Certification Scheme)のような新しい規制が、欧州委員会やその他連邦政府機関によって定められています。これらの規制は、有害なVOCの排出を最小限またはゼロにすることで、グリーンで持続可能な環境を確保するものです。また、インド品質評議会(QCI)、公害防止委員会当局、インド鉛プロジェクト全国照会センター(NRCLPI)が、すべての装飾用および家庭用塗料の鉛含有量を90ppm以下に固定するようインド政府(GOI)に勧告し、家庭用および塗料・コーティングの鉛規制が2016年に実施されました。これらの規制により、塗料・コーティング剤メーカーは、バイオベースの原材料への投資を促進し、より環境に優しいものを目指しています。さらに、米国や西欧州では、大気汚染に関する政府規制から、低公害の塗装技術の導入が促進されています。

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