半導体IP市場、2026年に72億米ドル到達予測

半導体IP市場は、2021年の55億米ドルからCAGR5.4%で成長し、2026年には72億米ドルに達すると予測されています。市場成長の主な要因は、さまざまな分野でのマルチコア技術の進展や、アプリケーションに対応する最新のSoC(システムオンチップ)設計に対する需要の高まりです。さらに、家庭用電化製品、通信・データセンター、自動車などの分野で半導体IPの採用が進んでいることも、近い将来、この技術の需要を押し上げる要因となります。

COVID-19の半導体IP市場への影響

COVID-19により、半導体企業は、製品の販売および流通能力を迅速に再構成し、ビジネスモデルを短期的および長期的に調整するようになりました。ウイルスが世界中に蔓延したことで、グローバルなサプライチェーンが混乱し、検疫期間が不透明になり、製品の販売に影響が出ました。また、このパンデミックにより、すべての業界でデジタルサービスの導入が加速しました。半導体製品の需要は、ASICS、メモリー、センサーなどにシフトし、消費者の行動も急速に変化しています。

2020年の半導体IP市場は、自動車、産業用商業、その他の垂直市場への影響を考慮して、わずかに減少しました。パンデミックの影響による各国政府の閉鎖的対応と、それによる旅行者数の大幅減少により、2020年の自動車の世界需要は大きく減少しました。サプライチェーンの混乱、旅行の制限、プレイヤーの生産能力の不確実性、景気後退によるエンドユーザーからの需要の減少などが、自動車や産業用の垂直市場の成長に影響を与えています。一方、リモートワークにより、ノートPCやタブレットなどのポータブルIT機器の導入が促進されています。さらに、スマートバンドやスマートウォッチなどのヘルスウェアラブルは、人々が身体の健康に気を配るようになったことで、需要が急上昇しました。このように、家庭用電化製品市場への、COVID-19の影響は少なく留まりました。同様に、通信・データセンター市場においても、5Gの導入が進んでいることから、その影響はかなり低いものでした。その後、2020年12月以降、中国、インド、米国、ドイツなどでロックダウンが緩和され、ワクチンが各国で導入されていることから、今後、製造業が徐々に回復し、2022年半ばには半導体IP市場が回復すると予想されています。

牽引要因:家庭用電化製品部門におけるマルチコア技術の進歩

家庭用電化製品業界は、半導体および半導体IP市場で活動するプレイヤーに計り知れない成長機会を提供しています。半導体産業の成長は、スマートフォンやタブレット端末などの家庭用電化製品の販売に大きく依存しており、その製造にICやSoCの使用が増えていることから、プロセッサー製品だけでなくメモリーも重要な役割を果たしています。マルチコアプロセッサーの市場は、家庭用電化製品向けのパーソナルコンピューティングの進展や、スマートフォン向けのオクタコアプロセッサの登場により、急速に成長しています。マルチコアプロセッサー市場の成長は、今後、半導体IP市場に有利な機会をもたらすと期待されています。現在、ほとんどの携帯型家電製品は、マルチコア(デュアルコアまたはクアッドコア)プロセッサーで動作しています。これらのプロセッサーは、高速で効率的かつエラーのないパフォーマンスを発揮することで、企業が家庭用電化製品市場で競争力を高めるのに役立っています。

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