超音波の市場規模、2026年に90億米ドル到達予測

超音波の市場規模は、2021年の67億米ドルからCAGR6.3%で成長し、2026年には90億米ドルに達すると予測されています。診断・治療用超音波画像診断の分野における継続的な技術の進歩、成熟市場における診断用超音波検査の医療費償還の可能性、血管画像診断におけるドップラー超音波や腫瘍学における3D/4D超音波など、新興超音波技術の応用の拡大が超音波市場の成長を促進しています。

COVID-19の超音波市場への影響

COVID-19パンデミックとそれに伴うロックダウンの影響は、超音波市場を含む多くの市場にはっきりと現れています。特に、インド、ブラジル、中国、米国および、ロシア、イタリア、英国、スペインなど欧州のいくつかの国では、その影響が大きくなっています。石油、航空、鉱業などの業界では収益が急減しており、ヘルスケア、バイオテクノロジー、製薬業界では、COVID-19の患者と医療従事者にサービスを提供するため、事業の最適化に注力しています。超音波市場が受けたパンデミックの影響は、2021年12月まで続くと思われます。規制やガイドラインなど市場にマイナスの変更が、成長を妨げています。ロックダウンによる製造施設の閉鎖、サプライチェーンの混乱、臨床試験のための人材確保の課題が、超音波市場全体の成長にさらに影響を与えています。

推進要因:対象疾患の罹患率の増加

対象となる病気や症状の発生率が増加していることから、効果的な診断・治療法の導入が促進されます。近年、慢性疾患や生活習慣病の負担が増加しており、例えば、がんの罹患率は、2012年の1,410万人から、2020年には1,930万人に増加すると予想されています(出典:GLOBOCAN, 2020)。

超音波技術は費用対効果が高く、より安全で、対象疾患の早期診断・治療を可能にするため、今後も疾患管理における需要が増加することが予想されます。

抑制要因:米国における不利な医療制度改革

2012年8月、米国政府は、今後2022年までの10年間、メディケアへの支出を7,160億米ドル削減する計画を立てました。多くの業界関係者は、この医療改革が、米国で事業を展開する超音波診断装置の製造・販売に携わる企業など、医療機器企業のキャッシュフローに悪影響を及ぼすと予想しています。多くの医療施設では、高額なハイエンド機器の購入を政府の資金に依存しているため、機器の米国での普及が制限される可能性があります。

市場機会:超音波アプリケーションの拡大

低侵襲治療や画像誘導法は、世界中の医療従事者や患者に採用されつつあります。超音波業界は、従来の産婦人科の画像診断から、腎結石や癌などの治療技術へと大きく変化しています。このような取り組みは、市場メーカーにとって収益成長の新たな道を開くものと期待できます。

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