ガスタービンの市場規模、2026年に225億米ドル到達予測

ガスタービンの市場規模は、2021年の189億米ドルからCAGR3.6%で成長し、2026年には225億米ドルに達すると予測されています。ガスタービンは主に発電用に使用され、機械的な駆動目的やジェットエンジンにも使用されています。

COVID-19のガスタービン市場への影響

COVID-19パンデミックは、ガスタービン市場のバリューチェーンに影響を与え、2020年を中心に影響が及ぶと考えられます。経済の壊滅的な打撃から、発電、機械駆動市場ともに減少し、ガスタービン業界は双方の影響を受けることになりました。また、業界的には、ロックダウン措置に関連し、ガスタービン機器のメンテナンスが延期されました。さらに、政治的な不確実性や世界的な排ガス規制など、パンデミック後の課題への取り組みに迫られています。

牽引要因:電力需要の増加

発展途上国における経済活動の活発化に伴う工業化の進展や電化製品の使用量の増加により、電力需要が増大しています。インド政府統計・計画実施省によると、電力会社の電力生産量は2017-2018年の13,03,493GWhから2018-2019年には13,71,779GWhに増加し、年間成長率は約5.24%となっています。このように、先進国で採用されている厳しい排出基準に伴い、二酸化炭素の排出量が少ないことから、天然ガス発電所の設置が促進されることが予想されます。

市場機会:分散型発電の増加

従来、電気は小さな発電所で低電圧の直流配電により供給されていました。分散型発電は、電気の供給だけでなく、物を動かすためのトルクの提供など、機械的な作業にも利用できます。ガスタービンは効率が高く、発電量も安定しているため、バックアップ電源やオンサイト発電のニーズに応えるには、他の分散型発電技術よりも有利になります。そのため、分散型発電の増加は、ガスタービン市場にとって大きなチャンスとなります。

課題:再生可能エネルギーへのシフト

BP Statistical Review of World Energy June 2017によると、世界の天然ガス総埋蔵量は186.6兆立方メートルで、現在の消費量で55年持続分に相当します。しかし、米国が天然ガスを他の市場に輸出するようになれば、可採年数の比率は大幅に低下します。現在の生産量では、世界の天然ガスの供給量は石炭の半分しかありません。成長著しいアジア太平洋地域では、生産量と消費量ともに石炭の方が多いと報告されています。クリーンなエネルギー源として機能する、太陽光発電所や風力発電所など再生可能エネルギーへの投資は、化石燃料発電所にマイナスの影響を与えます。天然ガスの埋蔵量が限られていることが、ガスタービン市場の課題となります。

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