UV安定剤の市場規模、2026年に16億米ドル到達予測

UV安定剤の市場規模は、2021年の13億米ドルからCAGR5.6%で成長し、2026年には16億米ドルに達すると予測されています。同市場の成長は、プラスチック、ポリマー、木材部品などの新興市場において、高機能で傷つきにくく、紫外線に強く、劣化しにくい、長期的に安定した化学物質の需要が高まっていることが背景にあります。UV安定剤には、HALS、紫外線吸収剤、クエンチャーなどの種類があり、HALSは、最も一般的なタイプのUV安定剤です。APAC(アジア太平洋)でのUV安定剤の需要増加、北米での木材コーティングの需要増加、企業による継続的な製品開発と拡張活動などが、UV安定剤市場の成長を牽引しています。

COVID-19のUV安定剤市場への影響

UV安定剤市場は、包装産業と自動車産業に大きく依存しており、COVID-19パンデミックによるサプライチェーンの混乱から、中程度の影響を受けると予想されています。

中国はUV安定剤の最大の生産国の一つです。しかし、中国のUV安定剤の需要は、COVID-19の発生などにより、2020年の第1四半期に大きく減少しました。一方、パッケージの必要性とプラスチックの生産量の増加により、同国のUV安定剤の生産は強化されています。

北米と欧州もCOVID-19の影響を大きく受け、今後2~3年の間に米国、カナダ、イタリア、スペインで景気後退が予想されています。中国からの輸出が減少することが予想されるため、UV安定剤の販売業者の利益率にも影響が出ており、UV安定剤の価格が上昇することが予想されます。

牽引要因:包装業界からの需要拡大

UV安定剤は、包装材料に保持特性を付与し、太陽光や厳しい気候条件のもとでも品質や耐久性を維持します。包装材料の長期的な耐久性が、UV安定剤市場を牽引する要因となっています。UV安定剤は、食品、飲料、その他の消費者製品、化粧品、医薬品産業における包装用途で採用されています。

紫外線は、食品や飲料、医薬品、家庭用品、化粧品、パーソナルケア製品などのプラスチックパッケージに悪影響を及ぼし、食品の色落ち、油脂の酸化促進、果汁や牛乳に含まれるビタミンの損失などの原因となります。UV安定剤は、太陽光に含まれる紫外線や赤外線の影響からパッケージや内容物を守るためにプラスチックパッケージに添加されます。現在、食品・飲料業界では、ポリエチレンテレフタレート(PET)パッケージの使用が増加しています。紫外線を防止するバリア性PETボトルの需要が高まっています。より安全でクリーンなパッケージ製品への要求は高く、食品パッケージ業界では技術革新や研究開発活動が活発化しています。紫外線にさらされても包装材の特性や品質を維持できること、耐侯性、長期耐久性などが、包装分野におけるUV安定剤市場を牽引しています。

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