ウイルス学的検体採取の市場規模:2021年の56億米ドルから2026年には54億米ドルへの減少予測

ウイルス学的検体採取の市場規模は、2021年の56億米ドルからCAGR-0.6%となり、2026年に54億米ドルに減少することが予測されています。同市場は、ウイルス性疾患の流行、ヒトパピローマウイルス(HPV)や子宮頸がんの増加、献血数の増加などにより牽引されます。

COVID-19がウイルス学的検体採取市場に与える影響

COVID-19パンデミックの出現は、世界中の医療提供のあり方を変えました。罹患者の入院率の増加によるプレッシャーの増大により、治療のために多くの病院や診療科が再編成されることになりました。COVID-19の発生により、世界各地で夜間外出禁止令が出され、献血の停滞、回収活動の中止、献血需要の減少などが発生しました。これはウイルス学的検体採取市場の成長に軽度から中程度のマイナスの影響を与えています。夜間外出禁止令や社会的距離の保持の制約が緩むにつれ需要が増加しています。各国政府は、ロックダウン後の急激な需要増に対応するため、献血活動を増やすなどの取り組みを行っています。

さらに、SARS-CoV-2、AIDS、インフルエンザ、EBOLA、ジカウイルス、STDなどのウイルス性疾患の流行の高まりが、ウイルス学的検体採取の需要を促進する大きな要因となっています。WHOによると、2020年末時点でのHIV感染者は3,770万人と推定され、そのうち3分の2以上がアフリカ地域に居住していると言われています。また、2020年には、68万人がHIVを原因として死亡し、150万人がHIVに罹患しました。また、世界では2020年に700万人が新たに梅毒に感染したと推定されています。ウイルス学的検体採取市場の需要は今後さらに高まると予想されます。

牽引要因:ウイルス性疾患の有病率の上昇と新たな病原体の出現

ジカウイルスやバベシアの発生と、これらをウイルス検査に含めることが発表されたことから、ウイルス学的検体採取技術、消耗品、機器の革新が必要とされています。世界各国で、新しい病気や新興の病気をチェックする取り組みが行われています。例えば、アフリカ地域ではマラリアが蔓延しており、蚊を媒介としてジカ熱が伝播する可能性があることから、同地域ではジカウイルス検査が義務付けられています。

市場機会:新興経済圏

インド、中東、アフリカなどの新興国市場は、可処分所得の増加と医療インフラの改善により、ウイルス学的検体採取業界のプレーヤーに有望な機会を提供しています。例えば、Statista(2021年8月)によると、インドの医療部門は2017年に約1,600億米ドルの価値がありました。所得水準の向上、健康意識の高まり、生活習慣病の発生率の上昇などにより、2022年には3,720億米ドルに達すると推定されています。

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