粘着ラベルの市場規模、2026年に623億米ドル到達予測
粘着ラベルの市場規模は、2021年の479億米ドルからCAGR5.4%で成長し、2026年には623億米ドルに達すると予測されています。同市場は、食品・飲料、医薬品、電子商取引などでの需要増加により、今後数年間で大きな成長が見込まれています。
COVID-19が粘着ラベル市場に与える影響
中国の武漢で発生したCOVID-19は、APAC(アジア太平洋)、欧州、北米の主要国に広がり、グローバル企業の多くがこれらの国に本社を置いていることから、粘着ラベル市場にも影響が及びました。このCOVID-19パンデミックの影響により、サプライチェーンに混乱が生じ、原材料や労働力の不足により、市場の成長が鈍化しました。
2020年の粘着ラベル市場は、COVID-19パンデミックによる影響は少なく、CAGRはわずかな低下に留まりました。また、原材料の生産量の減少、サプライチェーンの混乱、貿易の抑制などにより、同市場の成長は制限されています。
牽引要因:都市人口の増加
都市人口の増加は、医薬品、飲料、FMCG(Fast-Moving Consumer Goods)、耐久消費財などの粘着性ラベルを使用する製品の需要拡大の要因となっています。APACでは、農村部から都市部への人口移動が成長率をさらに高めています。国連人口部によると、APACの総人口は2050年までに51億人に達し、都市人口が全体の68%以上を占めると予測されています。世界全体の人口増加と合わせて、2050年までにさらに25億人が都市部に流入する可能性があり、この増加の90%近くがアジアとアフリカでの事象と考えられます。生活水準の向上により、ブランド品への需要が高まり、粘着ラベルの需要も増加すると考えられます。
抑制要因:粘着ラベルに対するウェットグルーラベルの利点
ウェットグルーラベルとは、あらかじめ接着剤が塗布されていないラベルのことで、印刷後、製品にラベルを貼る直前に接着剤を塗布します。接着剤や剥離紙などの原材料を購入する必要がないため、自己粘着ラベルに比べてコストパフォーマンスに優れています。また、粘着剤を塗布する必要がないため、製造工程がシンプルで、製造時間の短縮にもつながります。ウェットグルーラベルは、長期保存が可能なため、購入者に好まれ、廃棄物の削減にも貢献しています。