精密誘導兵器の市場規模、2026年に410億米ドル到達予測

精密誘導兵器の市場規模は、2021年の328億米ドルからCAGR4.5%で成長し、2026年には410億米ドルに達すると予測されています。同市場は、世界各国の防衛予算が一貫して増加していることや、国境周辺での現代的な戦闘に対抗するために高度な精密誘導兵器が必要とされていることから成長が見込まれています。さらに、紛争の増加や高額な防衛費が市場を牽引する主な要因の一つとなっています。米国、中国、インド、ロシアなどの政府が、軍事資源の近代化に多額の費用を投じています。そのため、多くの兵器メーカーが精密誘導兵器の開発に力を注いでいます。しかし、ミサイルの統合に関する問題が、同市場の成長の課題となっています。

COVID-19による精密誘導兵器市場への影響

防衛産業はCOVID-19発生の深刻な影響を受けなかったものの、多くの経済的問題に直面しました。民間資金の枯渇、各国の防衛費削減、予定されていた契約の延期などが、防衛産業にマイナスの影響を与えています。そのため、精密誘導兵器の研究開発が遅れており、一部のミサイル防衛技術の試験も遅れています。また、精密誘導兵器のサプライチェーンが停滞しているため、多くの企業が生産量の減少に直面しています。

牽引要因:国家を守るための防衛プログラムの必要性

米国の兵器システムの性能は他の追随を許さないものであり、その国防軍は、いかなる天候条件、敵に対しても、戦術的な戦闘上の優位性を確保することができます。米国国防総省が要求している2020年度の取得予算は総額2,473億米ドルで、この中には基本予算と海外緊急事態活動(OCO)基金の資金が含まれており、調達には1,431億米ドル、RDT&Eには1,043億米ドルとなっています。今回の予算要求は、国家防衛戦略で定められた軍事力目標を実現するためのバランスのとれたポートフォリオアプローチを表しており、要求額2,473億ドルのうち、839億ドルは主要防衛取得プログラム(MDAP)に充てられています。MDAPは、取得・維持担当の国防次官が設定したコスト基準を超える取得プログラムです。

ミサイル防衛局によると、過去5年間で弾道ミサイルが1,200基以上増加しています。米国、北大西洋条約機構、ロシア、中国以外の弾道ミサイルの総数は5,900基以上に上っており、現在、何百もの発射台やミサイルが米軍の射程内にあります。このように、様々な脅威から身を守るための防衛プログラムに対する各国のニーズが、精密誘導兵器市場の原動力となっています。

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