医薬品の開発製造受託の市場規模、2026年に1,713億米ドル到達予測

医薬品の開発製造受託の市場規模は、2021年の1,206億米ドルからCAGR7.3%で成長し、2026年には1,713億米ドルに達すると予測されています。市場成長の主な要因は、ジェネリック医薬品の需要増、医薬品研究開発への投資増、CDMO(医薬品開発製造受託)による高度な製造技術への投資などです。また、生物学的療法への需要の高まり、特殊医薬品への注目の高まり、核医学分野の成長、細胞・遺伝子治療の進歩なども、今後数年間の市場成長の機会となると予想されます。

COVID-19による医薬品開発製造受託市場への影響

COVID-19パンデミックにより、企業はワクチンや医薬品の開発・販売に向けて、研究開発製造の規模を拡大しています。製薬・バイオテクノロジー企業、研究所、学術研究機関におけるワクチン関連の研究活動は必要不可欠なものと考えられており、パンデミックの影響をほとんど受けていません。研究開発や製造プロセスを迅速化するために、多くの製薬会社やバイオテクノロジー企業は、長期的な契約やパートナーシップ、協力関係を通じてCROやCDMOと提携しています。

牽引要因:ジェネリック医薬品の需要増加

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同等の治療効果と安全性を備えた費用対効果の高い医薬品です。ジェネリック医薬品市場の成長を促している主な要因は、医療費削減への圧力です。費用対効果を考慮して、各国政府はジェネリック医薬品の利用を促進しています。

また、医薬品の特許切れも、ジェネリック医薬品市場の成長を促す大きな要因です。韓国をはじめとする発展途上国では、2021年に158品目、62件の特許が切れる予定です。特許切れにより安価なジェネリック医薬品が市場に参入することになり、先発医薬品業界に収益と販売面の損失をもたらしています。ジェネリック医薬品メーカーは、生産の約80%をCDMOに委託しており、これは市場成長のポジティブな指標となります。

市場機会:細胞・遺伝子治療の需要拡大

細胞・遺伝子治療は、個別化された治療法であるため、非常に特異性が高く、有効な治療法が見つかっていない疾病のニーズを満たす可能性を秘めています。そのため、多くの製薬会社や投資家が、これらの治療法の開発と商業化のために多額の資金を投入しています。2020年2月現在、米国FDAで承認されている細胞・遺伝子治療薬は9種類で、2020年には、約362種類の細胞・遺伝子治療薬が臨床開発されています。候補となる細胞治療薬の数が増加していることに加え、臨床開発のさまざまな段階を急速に進んでいること、製造プロセスが複雑であることから、これらの治療薬の製造サービスを提供する施設の需要が高まっています。

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