クロルアルカリの市場規模、2026年に774億米ドル到達予測

クロルアルカリの市場規模は、2021年の632億米ドルからCAGR4.1%で成長し、2026年には774億米ドルに達すると予測されています。有機・無機化学品の需要の高まりと製造業の生産量の増加が、APAC(アジア太平洋)のクロルアルカリ市場の成長につながっています。さらに、中国、インド、ASEAN諸国での生産設備拡張のための投資が増加していることも、同市場の需要を押し上げる要因になります。

COVID-19によるクロルアルカリ市場への影響

2020年のクロルアルカリ市場は、COVID-19とそれに伴うロックダウンにより成長率が低下しました。このパンデミックは、北米や欧州諸国に深刻な影響を与えており、その予防措置として製造活動が停止されました。サプライチェーンの混乱がクロルアルカリの最終産業に影響がおよび、多くの用途で需要が5%以上減少しました。世界各地の拡張プロジェクトが中断されたため、クロルアルカリの需要が減少し、化学品、有機化学品、無機化学品の需要は、全世界で大幅に減少しました。この影響を軽減するために、北米や欧州の化学会社は、オペレーションの効率化、コスト管理、資産の最適化に注力しています。また、主要企業は、新たなアプリケーション、技術革新への投資、顧客の購買行動パターンの研究、持続的な成長を可能にする新しいビジネスモデルの採用など、長期的な機会に注目しています。世界各地でさまざまな建設やインフラ整備のプロジェクトが中断または延期されました。そのため、全世界でPVCの需要が減少し、塩素市場にも影響を与えました。また、自動車産業の衰退により、ガラスやポリマーの需要も減少し、市場に多大な影響を与えることになりました。

牽引要因:化学工業の安定した成長が需要を牽引

塩素、苛性ソーダ、ソーダ灰などのクロルアルカリ製品は、化学工業において重要な役割を果たしています。これらの製品は、主要なバルク化学工業に必要な原材料であり、様々な産業や製造業のバリューチェーンで利用されています。また、プラスチック、アルミナ、紙・パルプなどのさまざまな用途に使用され、建設、自動車などの多様な最終用途産業で利用されています。このように、化学製品の生産量の増加と新興国の堅調な経済状況が、クロルアルカリ市場の成長を促進すると予想されます。

欧州化学工業評議会(Cefic)によると、2019年、世界の化学品の販売額は4兆1,080億米ドルで、中でも中国が圧倒的に多く、2030年には6.9兆米ドルに達すると予想されています。クロルアルカリは、化学工業における製品の重要な原材料の一つです。

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