臨床検査情報システム(LIS)の市場規模、2026年に24億米ドル到達予測

臨床検査情報システム(LIS)の市場規模は、2021年の15億米ドルからCAGR9.0%で成長し、2026年には24億米ドルに達すると予測されています。LISは、検査室のプロセスを合理化し、検体処理時間の短縮、生産性の向上、ターンアラウンドタイムの短縮に貢献します。検査室の自動化や効率化へのニーズの高まり、慢性疾患の増加、個別化医療への需要の急増、統合型LISの開発、クラウド型LISの普及などにより、新興国を中心に市場関係者に大きな成長機会を提供することが期待されています。

COVID-19による臨床検査情報システム市場への影響

COVID-19パンデミック後、医療施設は、すべての臨床機能が内部で接続され、他の医療ユニットと協調する環境を設置するため、大きなプレッシャーに直面しています。COVID-19の研究に注力している研究所や診断ラボでは、テスト管理、サンプルハンドリング、在庫管理、パッケージング、出荷モジュールなど、複数のステップを処理する必要があります。また、COVID-19の治療法やワクチンの開発に注力している研究所では、ワクチン製造プロセスの品質、生産性、迅速性を向上させる効果的なエンドツーエンドのソリューションが必要となり、LISのようなインフォマティクスソリューションの導入が進むと考えられます。さらに、この市場の一部のプレイヤーは、COVID-19検査に特化したLISソリューションの構築に注力しています。エンドツーエンドのワークフローをサポートするLISの利点を考慮すると、政府や企業による取り組みと相まって、LISの採用は増加すると思われます。COVID-19のパンデミックにより、より多くの医療機関がLISを利用するようになることが期待されます。

牽引要因:検査室自動化の必要性

検査室の専門家の不足に対処し、検査プロセスでの手作業を減らすため、検査室の自動化は、効果的なソリューションとして浮上しています。専用のワークステーションと機器をプログラムするソフトウェアを使用して、日常的な検査手順を自動化することで、生産性が向上し、研究者は重要な仕事に集中できるようになります。自動化によって高品質なデータが得られ、より良い文書化が可能になります。また、監督基準の存在は、エラーのない結果を求める厳しい規制要件と相まって、再現性のある結果をもたらす標準化されたシステムの開発をサポートします。

抑制要因:高い保守とサービスコスト

LISに関連する高い保守とサービスコストは、市場成長の大きな抑制要因となっています。業界の専門家によると、ITソリューションのメンテナンスコストは、ソフトウェアの実際の価格よりも高いと言われています。サービスとメンテナンスは経常的な支出であり、総所有コストのほぼ20〜30%を占めます。さらに、トレーニングと導入費用は、実際の価格の約15%に相当します。これらの要因により、多くの中小規模の検査室では、システムに投資することが難しく、導入が制限されていました。しかし、クラウド型LISの登場により、今後数年間は価格面での影響は減少するものと考えられます。

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