閉鎖系薬物移送装置の市場規模、2026年に20億200万米ドル到達予測

閉鎖系薬物移送装置(CSTD)の市場規模は、2021年の8億1,400万米ドルからCAGR19.7%で成長し、2026年には20億200万米ドルに達すると予測されています。市場成長の主な要因は、細胞毒性薬剤の有害な影響、癌の発生率の上昇、癌治療薬の承認数の増加、有害薬剤の安全な取り扱いに関する規制ガイドラインの改善などです。しかし、CSTDの導入コストが高いことに加え、発展途上国ではCSTDに対する償還や規制ガイドラインへの準拠が不十分であることが、病院や腫瘍センターでの採用を一定程度制限しています。

COVID-19パンデミックが閉鎖系薬物移送装置市場に与える影響

COVID-19パンデミックは、世界各国の医療従事者、施設、システムに負担をかけた未曾有の危機です。このパンデミックは、CSTD市場にマイナスの影響を与えました。また、数百万件もの選択的手術が延期され、その結果、症例数が滞る可能性が出てきました。これは、全国的なロックダウンや封じ込め措置によるものです。このため、多くの病院では緊急性のない処置が延期されました。一方で、患者の健康志向は強まり、診断や治療への関心が高まりました。

推進要因:癌の罹患率の上昇

高齢者人口の増加や都市化の進展に伴うライフスタイルの変化により、がんの罹患率は前例のない勢いで増加し続けています。WHOによると、がんは全世界的に主要な死因であり、2020年には1,000万人が癌で死亡すると言われています。また、GLOBOCANの統計に基づき、2025年には毎年約1,930万人の新規がん患者が発生すると推定されています。

主要ながん治療法である化学療法は、1種類以上の抗悪性腫瘍剤を使用し、患者の異常な細胞を破壊します。危険な薬剤を準備、輸送、投与、廃棄する際の安全性を高めるには、手袋、ガウン、マスク、通気性のある調製用フードなどの安全対策と併せて、閉鎖系薬物移送装置(CSTD)を使用することが効果的です。癌の発生および化学療法導入の増加に伴い、CSTDの需要は今後数年間で増加すると予想されます。

腫瘍学医薬品の承認件数の増加

現在、がん治療薬の開発は、製薬会社にとって主要な関心分野となっています。がんの生物学的理解や治療の進歩により、医薬品の申請や承認が増加しています。すでに承認されているがん治療薬の適応症が増加していることから、対象となる患者数も増加し、危険ながん治療薬の取り込みが促進されると予想されます。さらに、腫瘍学の新たな発展により、治療法の選択肢が増え、新薬に関する安全性の問題も発生します。これに加えて、近年の臨床薬剤開発の進歩は、がんの分子的理解とそれに伴う標的薬理学的介入の進歩、薬剤を効率的にもたらす必要性に起因しており、がん治療薬開発のイノベーションを促進しています。がん治療薬の承認件数の増加に伴い、CSTDを含む安全対策の必要性が高まっています。

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