血液透析・腹膜透析の市場規模、2026年に1,051億米ドル到達予測

血液透析・腹膜透析の市場規模は、2021年の769億米ドルからCAGR6.4%で成長し、2026年には1,051億米ドルに達すると予測されています。同市場の成長は、ESRD(末期腎不全)患者数の増加、糖尿病や高血圧の蔓延、臓器提供者の不足や移植に伴うリスク、技術の進歩、先進的な製品やサービスを市場に導入する大手企業の取り組みなどが要因となっています。しかし、透析に伴うリスクや合併症、製品のリコールなどが、市場の成長を一定程度制限する可能性があります。

COVID-19の血液透析・腹膜透析市場への影響

COVID-19パンデミックは、世界各国の臨床医療従事者や患者に様々な課題を与えています。COVIDの患者数の急増は、その重症化率の上昇とともに、腎臓障害の発生率の潜在的な増加を生み出す可能性があります。このパンデミックにより、腎代替液の需要が世界的に大幅に増加しています。COVID-19の患者におけるRRT(腎代替療法)の需要は、過去の米国の人口と比較して5倍に増加しています。パンデミック発生以前から増えていた自宅での血液透析治療や、COVID-19の感染拡大への懸念から、HD(血液透析)治療に対する患者の関心が高まっています。このことは、在宅血液透析製品の採用を後押しすると思われます。

牽引要因:末期腎不全の発生率の増加

世界的にESRDの発生率が高まっていることから、透析治療の需要が増加しています。世界では毎年、約200万人がESRDに罹患しています(出典:USRDS Annual Data Report, 2018)。腎疾患の進行により、適切な腎機能を維持するための透析の需要が高まることが予想されます。また、世界的に老年人口が急増していることから、腎臓関連疾患の有病率が大幅に増加することが予想されます。これにより、今後の血液透析および腹膜透析市場の成長が大きく促進されることが考えられます。

抑制要因:透析に伴うリスクと合併症

不整脈および突然の心停止などの心疾患や、出血・感染症、低血圧、吐き気、ヘルニア、肝炎(B・C)、貧血などのバスキュラーアクセスに関連した合併症は、透析患者の主な死亡原因となっています。腹膜炎は、腹膜透析の一般的な合併症であり、腹膜透析液やチューブに病原性の皮膚細菌が混入し、カテーテルが感染することが原因となります。腹膜炎は、北米では毎年、腹膜透析患者の約16%の死亡原因となっています(出典:Fresenius Medical Care社)。

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