リチウムイオン電池の市場規模、2030年に1,166億米ドル到達予測

リチウムイオン電池の市場規模は、2021年の411億米ドルからCAGR12.3%で成長し、2030年には1,166億米ドルに達すると予測されています。同市場の成長は、COVID-19の影響によるインフラからの継続的な電力供給への需要、プラグイン自動車の需要の増加、自動化によるバッテリー駆動のマテリアルハンドリング機器のニーズ、スマートデバイスの継続的な開発、再生可能エネルギー分野でのリチウムイオン電池の採用増加などに牽引されています。

COVID-19によるリチウムイオン電池市場への影響

リチウムイオン電池市場は、COVID-19パンデミックの影響を中程度受けました。パンデミックにより企業や世界経済に深刻な混乱が生じ、電池やその他の部品の供給が制限されているため、電池業界のサプライチェーンに影響がおよび、市場の成長率は低下すると考えられます。電池の主要部品は主にアジア太平洋地域で製造されており、特に中国への依存が見受けられます。米国、ドイツ、オーストラリアの電池メーカーは、中国をはじめとするアジア太平洋地域での操業停止の影響を強く受けています。また、生産量が制限されているため、ビジネスインプットの深刻な減少につながっています。回復は、政府の支援、企業の負債レベル、企業や市場が切り詰められた需要にどう対処するかにかかっています。今後は、2030年までは緩やかな成長が見込まれています。

牽引要因:プラグイン自動車の需要増加

リチウムイオン電池は、電気自動車の動力源となります。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及は、必然的にリチウムイオン電池の採用を後押ししており、今後もさらに増加することが予想されます。消費者の間でEVの普及が進んでいることが、これらの省エネ・公害防止車両の市場を後押ししています。電気自動車は、エンジンのメンテナンスが不要で、有害な廃油の使用が少なく、燃料の燃焼による汚染が少ないなどの利点があり、その数は増加の一途をたどっています。また、今後の自動車産業や交通システムの未来を担うものと考えられており、その普及により、リチウムイオン電池の需要が増加すると考えられます。

抑制要因:使用済み電池の保管・輸送に関する安全問題

使用済み電池には、酸や水銀・鉛などの重金属を含む危険な化学物質が含まれています。2007年7月には、リチウムイオン電池を原因とする火災事故が発生し、13万2,000リットル以上の化学物質が炎上して、英国の2つの主要な高速道路が閉鎖されるという事態が発生しました。使用済みの電池は水密容器に入れ、他の可燃性・燃焼性の物質から離して保管することが義務付けられています。また、万一の火災に備えて、クラスDの消火器と砂を近くに置いておくことも重要です。使用済みのバッテリーには電荷が残っているため、予期せぬ放電が起こり、財産や人に害を及ぼす危険性があります。適切なラベルが貼られていない場合は、すべての電池は充電されているものとして扱い、保管には注意が必要です。こういったリスクから、使用済みバッテリーの保管や輸送は州や国の政府によって規制されています。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]