防蚊剤の市場規模、2026年に90億米ドル到達予測

防蚊剤の市場規模は、2021年の69億米ドルからCAGR5.6%で成長し、2026年には90億米ドルに達すると予測されています。世界的な人口の増加、都市部への移住、農村から郊外への整備などにより、蚊は農村部から都市部へ移動し、変化する環境に適応しています。これらの進化した蚊が、世界中の都市環境でデング熱、ジカ熱、黄熱などの流行の原因となっています。

COVID-19 の防蚊剤市場への影響

防蚊剤市場には、主要なTier IおよびTier II企業であるSC Johnson & Son, Inc. (米国)、Reckitt Benckiser Group plc(英国)、Henkel AG & Co. KGaA(ドイツ)、Spectrum Brands Holdings Inc. (アメリカ)、Godrej Consumer Products Limited(インド)、BASF SE(ドイツ)、Natura & Co Holding SA(ブラジル)、3M Company(アメリカ)、Dabur India Ltd. (インド)、Jyothy Labs. (インド)、Jyothy Labs Limited(インド)、PelGar International(イギリス)、AoGrand Group(中国)、Enesis Group(インドネシア)、Herbal Strategi(インド)、Sawyer Products, Inc. (米国)、Himalaya Global Holdings Ltd. (インド)などがあります。これらのサプライヤーは、アジア太平洋地域、欧州、北米、南米、中東、アフリカの様々な国に製造施設を持っており、COVID-19による影響を受けています。

米国国土安全保障省によると、COVID-19パンデミックの際、害虫駆除は必須サービスに分類されていたため、活動を継続していました。封鎖期間中、害虫駆除が行われていない空き家では、蚊の繁殖、ゴキブリの発生、ネズミの活動などが根付くことが予想されました。また、都市部の住宅地では、人の移動が少ないため、害虫が増殖する可能性が高まっていました。

牽引要因:蚊が媒介する病気の増加

世界保健機関(WHO)によると、蚊の媒介による疾病で、毎年100万人以上が死亡していると言われています。これらの死者の大半はマラリアによるもので、WHOは毎年3億から5億のマラリア患者が発生していると推定しています。また、デング熱の発生は過去30年間で30倍に増加し、現在では年間4億人もの人々が感染し、その4分の1の人が入院する事態にいたっています。世界人口の40%、約30億人がデング熱のリスクのある地域に住んでいます。また、アノフェレス・ガンビエという蚊の媒介により、サハラ以南のアフリカで毎年2億人以上がマラリアに感染し、2018年には同地域で40万人以上が死亡しています。

市場機会:ハーブを使った蚊取り線香の需要

植物由来の忌避物質は、何世代にもわたって、蚊に対する保護手段として伝統的に使用されてきました。民族植物学の研究によって得られた伝統的な忌避植物の知識は、新しい天然製品を開発するための貴重な資源となります。ほとんどの植物には、植物を食べる昆虫の攻撃を防ぐのに役立つ化合物が含まれています。これらの化合物の主な機能は、植物を食べる昆虫に対する防御ですが、多くは蚊にも有効です。植物性の蚊取り線香の原料としては、イネ科のシトロネラ属の植物の精油やエキスがよく使われます。シトロネラは元々、香料として抽出されていました。しかし、現在では5〜10%の濃度で使用されており、最も広く使用されている天然の防蚊剤の一つとなっています。

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