乗用車向けプラスチックの市場規模、2026年に308億米ドル到達予測

乗用車向けプラスチックの市場規模は、2021年の211億米ドルからCAGR7.9%で成長し、2026年には308億米ドルに達すると予測されています。最大限の重量削減の可能性、大幅な排出量の削減、車両のデザインや美観の向上などが、同市場の牽引要因です。

COVID-19による乗用車向けプラスチック市場への影響

COVID-19の発生により、自動車のサプライチェーン全体が世界規模で混乱しています。サプライチェーンが打撃を受けたのは供給・製造部門だけではありません。世界各地でロックダウンが実施されているため、復旧の目処が不透明な状況となっています。パンデミックの中、自動車業界は、自動車部品の供給制限、新車販売の減少、生産設備の停止、運転資金の減少という4つの大きな課題に直面しています。OICAによると、2020年の世界の乗用車販売台数は、2019年の6,370万台から5,360万台へと15.9%減少しており、乗用車向けプラスチック市場も直接影響を受けることが予想されます。

牽引要因:排出ガス規制や燃費規制の強化に伴う軽量素材の採用

各国政府は、自動車に対する厳しい排出ガス規制や燃費規制を導入しています。これらの規制により、自動車メーカーはプラスチックのような軽量素材の使用を増やしています。先進的なプラスチック材料は、安全性と性能を確保しつつ、自動車の燃費を向上させるのに役立ちます。自動車の質量を10%削減すると、燃費が6〜8%向上します。重量が少ないほど加速時のエネルギー消費量が少なくなるため、プラスチックの使用により、自動車の燃料消費量を削減することが出来ます。乗用車の炭素排出量は、バルブタイミングの調整、ターボチャージャーの搭載、空力設計、ハイブリッドシステム、プラグインハイブリッドシステム、燃料電池システムの導入などの温室効果ガス(GHG)削減技術を用いることで削減することができます。しかし、これらの技術は、エンジン設計、パワートレインシステム、パワーシステムの変更を必要とし、高度な複雑さを伴います。そのため、上記の技術に比べて比較的リーズナブルな価格で、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できる先端プラスチック材料が広く使われています。

抑制要因:COVID-19による乗用車販売の鈍化

自動車産業は、COVID-19発生に伴うロックダウンにより減速しています。日産自動車、起亜自動車、BMW、ダイムラー、テスラなどの大手自動車会社の操業がCOVID-19の影響を受けました。世界最大の自動車市場である中国では、パンデミックとそれに伴う経済の落ち込みにより、2020年の販売台数が3年連続で減少しました。これにより、EVメーカーでは数十億ドル規模の拡大計画が危ぶまれました。さらに、COVID-19の影響で、2020年の乗用車販売台数は2019年に比べて14%減少しました。自動車販売台数の落ち込みは、2007年から2009年にかけての世界金融危機の際に見られたものよりも大きいものとなりました。最も被害が大きかったのは南米と欧州で、これらの地域の自動車販売台数は前年比で約4分の一に縮小しました。中国は、2019年の販売台数が約2,100万台となり、販売台数ベースで最大の自動車市場となりましたが、2020年2月の月次自動車販売台数は急速に下落しました。その後、抑制策が功を奏した結果、4月から市場は回復の兆しを見せ始めました。

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