軟体動物駆除剤の市場規模、2026年に9億900万米ドル達成予測

軟体動物駆除剤の市場規模は、2021年の7億1100万米ドルからCAGR8.5%で成長し、2026年には9億900万米ドルに達すると予測されています。園芸作物市場の拡大などにより、カタツムリやナメクジの駆除に対する消費者の需要が高まり、軟体動物駆除剤市場が急速に広がりを見せています。

COVID-19による軟体動物駆除剤市場への影響

軟体動物駆除剤などの害虫駆除製品の需要が増加しているにもかかわらず、COVID-19パンデミックの影響で供給に大きな問題が出ています。パンデミックの状況下、害虫駆除の需要が予期せぬ形で急増したため、メーカー、サプライヤー、小売業者は、継続的な供給を確保するのに苦労しました。移動制限や病気により労働力が不足し、原材料の供給が減少しています。供給ルートの混乱は、化学的害虫駆除製品の原材料確保の遅れにつながっています。

牽引要因:発展途上国での農薬採用の増加

農業技術の進歩により、農業の手法が変わってきています。特に発展途上国では、農作物の輸出入が増加しているため、新しいタイプの有害生物が出現し、新たな有効成分を有する製品の需要が増加しています。農薬業界のグローバル化は、アジアの作物保護市場に大きな影響を与えています。人口増加率が高く、食糧生産の必要性から、除草剤や殺虫剤など様々な農薬の需要が増加しています。アジア太平洋地域の発展途上国では、食料品需要が増加する一方で、都市化の影響で農業に利用できる土地の面積が縮小しており、農家は土壌の健全性を維持しつつ、土地の生産性を高めるため、農薬を使用するようになっています。

抑制要因:軟体動物駆除剤に関する規制

農作物にダメージを与えるナメクジやカタツムリに対して、農家はさまざまな防除方法を採用しています。これらの手段で十分でない場合、化学的な防除方法が最終手段として考えられます。農薬は毒性が強く、食物連鎖に入り込むと環境に大きな影響を与えるため、乱用を防ぐための厳格なガイドラインや枠組みが設けられています。例えば、欧州連合(EU)では、フィンチやスズメなど、穀物を食べる農鳥に有害な影響を与えることから、メチオカルブを含むナメクジペレットの使用を禁止しています。一方、新たな汚染物質と考えられるナメクジペレット製品向けメタルアルデヒドは、EUの法定飲料水基準である0.1μg L-¹以上が水路で頻繁に検出されています。

市場機会:環境に配慮した駆除剤の登場

大手メーカーは、天然素材などを利用した、環境に優しい軟体動物駆除剤の生産を開始しています。合成軟体動物駆除剤の散布は、非標的生物に有害な影響を与え、作物の定着に影響を及ぼし、藻類の発生や残留農薬の問題を引き起こします。そのため、代替となる植物性軟体動物駆除剤の必要性が生じています。しかし、現在のところ、効果的かつ安全で、経済的にも実行可能な代替品はありません。Platcom Ventures Sdn Bhd(マレーシア)が開発したポリハーブ軟体動物駆除剤は、侵略的な軟体動物、特にゴールデンアップルカタツムリに対抗するための効果的な製剤です。非標的生物に有害な影響を与える合成軟体動物駆除剤とは対照的に、このポリハーブ製剤は非標的生物に対する毒性が低く、また生分解性も可能な生物学的防除法です。

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