医療用テープ・包帯の市場規模、2026年に86億米ドル到達予測

医療用テープ・包帯の市場規模は、2021年の71億米ドルからCAGR4.0 %で成長し、2026年には86億米ドルに達すると予測されています。手術件数の増加、慢性創傷の発生率の上昇、高齢者人口の増加などが、医療用テープ・包帯市場の成長を促進する要因となっています。一方、先進的な創傷ケア製品に対する意識の高まりが、今後の医療用テープ・包帯市場の成長を抑制すると予想されます。

COVID-19の医療用テープ・包帯市場に与える影響

COVID-19パンデミックの状況下において、政府機関は、予防薬や治療薬の開発、重要な医療機器の購入、診断テストの迅速な承認などに向けた特別な財政支援を発表しました。また、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(BMGF)やウエルカム財団など、世界各地の組織が一丸となって、COVID-19パンデミックへの取り組みを加速させています。

COVID-19の大流行は、その初期の段階で医療用テープ・包帯市場にマイナスの影響を与えました。全国的なロックダウン、創傷治療サービスの停止、選択的手術のキャンセルまたは延期などにより、創傷治療市場は一定の減少が考えられます。また、これらの製品のサプライチェーンは、世界各国で起きているロックダウンにより影響を受ける可能性があります。一方、医療用テープ・包帯市場は、在宅医療の現場で広く使用されているため一定の需要があり、COVID-19パンデミックによる大きな影響は受けないと予想されます。

牽引要因:創傷治癒能力に影響を与える疾患の増加

慢性創傷には、主に糖尿病性足潰瘍、褥瘡、静脈性下腿潰瘍などの創傷があります。糖尿病性足潰瘍は、糖尿病の主要な合併症の一つです。糖尿病は、あらゆる種類の潰瘍、慢性および急性の傷、さらにはちょっとした切り傷でも治癒に時間がかかり長期化するため、ドレッシングや再ドレッシングに使用される医療用テープや包帯の消費量が増加します。また、軽い切り傷でも慢性的な傷になってしまうケースもあり、ドレッシングの需要がさらに高まります。国際糖尿病連合(IDF)によると、世界の糖尿病患者数は2015年の4億1500万人から2040年には6億4200万人に拡大すると言われています。また、CDCの推計では、2050年にはアメリカ人の3人に1人が糖尿病になると言われています。また、米国では、糖尿病患者のおよそ25%が足潰瘍を発症し、糖尿病患者全体の15%もの人が、糖尿病性足潰瘍(DFU)に苦しんでいます。

抑制要因:高度な創傷ケア製品に対する意識の高まり

高度な創傷ケアは、湿潤環境を提供することで、慢性創傷の治癒プロセスを促進することが出来ます。感染症対策や治癒速度が重視されるケースでは、高度な創傷ケア製品が第一選択薬として使用されています。従来の創傷被覆材の限界を考えると、高度な創傷ケア製品は、今後の医療用包帯・テープ市場の構図を覆すことが予想されます。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
お問い合わせフォーム:www.gii.co.jp/form/inquiry
お電話:044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]