手術用ロボットの市場規模、2026年に144億米ドル到達予測

手術用ロボットの市場規模は、2021年の64億米ドルからCAGR17.6%で成長し、2026年には144億米ドルに達すると予測されています。外科用ロボットは、外科医が複雑な外科手術をより高い精度で行うことを可能にします。婦人科手術、泌尿器科手術、整形外科手術、一般外科手術、神経外科手術、その他の低侵襲手術に使用されています。この市場の成長は、ロボット支援手術の利点、手術用ロボットの技術的進歩、手術用ロボットの導入の増加、医療用ロボット研究への資金提供の増加などが主な要因となっています。

COVID-19による手術用ロボット市場への影響

COVID-19パンデミックは、医療システムに大きな負担をかけています。医療機関やプロバイダーは、感染の可能性を最小限に抑え、COVID-19の患者に医療資源を集中するために、選択的な外科手術や診察を中止するよう指示されました。その結果、世界各地で選択的手術のキャンセルが発生しマイナスの影響を及ぼしました。

牽引要因:ロボット支援手術の利点

世界的に低侵襲手術(MIS)の需要が増加しています。低侵襲手術には、切開箇所の縮小、切り口の減少、傷跡の減少、痛みの軽減、安全性の向上、回復期間の短縮、大幅なコスト削減などの利点があります。ロボットによる低侵襲手術は、正確性、再現性、制御性、効率性を増すことで、これらの利点をさらに高めることが可能です。

2020年に発表された、統合型ロボット手術と従来の腹腔鏡下手術による胃遠位部切除術の手術成績の比較によると、IRDG(統合型ロボット遠位部切除術)群の手術成功率は98.0%で、CLDG(従来の腹腔鏡下手術による胃遠位部切除術)群の成功率89.5%に比べて高い結果がでました。入院中および外来での合併症の発生率は両群間で同等でしたが、再入院率はIRDG群がCLDG群よりも低いと報告されました。

また、ロボット手術には高度な視覚化機能があり、HDカメラを用いて微細な構造を図示することで、手術領域をよりよく見ることができます。さらに、ロボットは360度回転が可能で、操作性にも優れているため、手術が困難な部位にも到達することができます。このような手術ロボットの利点と、医療サービスを迅速に提供したいという需要の高まりが、今後の手術ロボット市場全体の成長を牽引すると予想されます。

抑制要因:ロボットシステムのコスト高

ロボット支援による手術は、他の低侵襲手術よりも高額です。米国産科婦人科学会は、ロボットを使った子宮摘出術を複雑な臨床症状の場合にのみ推奨しています。同学会は、すべての子宮摘出手術にロボット手術を採用した場合、米国における子宮摘出手術の年間コストは約9億6000万米ドルの追加費用が発生すると予測しています。最も一般的に使用されているロボットシステムの1つであるダビンチシステムのコストは150万米ドルから250万米ドル、サイバーナイフロボットシステムは1台あたり400万米ドル程度と言われています。また、ロボットの年間維持費は12万5000米ドル近くになり、高額なロボット手術の費用にさらに拍車をかけています。また、平均的なロボット手術の費用は、3000〜6000米ドル程度です。このように、ロボットシステムの使用による手術費用の上昇は、医療用ロボット市場の成長を抑制すると予想されます。

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