射出成形機の市場規模、2025年に123億米ドル到達予測

射出成形機の市場規模は、2020年の103億米ドルからCAGR3.6%で成長し、2025年には123億米ドルに達すると予測されています。この市場は主に、自動車、消費財、パッケージ、ヘルスケア、電気・電子機器などのエンドユース産業における射出成形機の需要の高まりによって牽引されています。医療業界からの需要の増加、中国、インド、タイなどの経済成長国における急速な工業化、電気自動車におけるプラスチック金型の需要の増加などの要因が、市場を牽引しています。射出成形機の主要地域はAPAC（アジア太平洋地域）であり、欧州と北米がこれに続きます。

COVID-19の射出成形機市場への影響

近年、世界各地の仮設病院や医療機関では、医療機器を製造するために射出成形機の需要が高まっています。COVID-19パンデミックの影響で、ヘルスケア産業が注目されています。COVID-19の感染者数が爆発的に増加したため、注射器やエアシステムなどの医療機器の需要が急激に増加しました。インドや中国などが製造拠点となり、世界各国で射出成形機の需要が拡大しています。

牽引要因：省エネルギーに対する意識の高まり

世界的に省エネルギーに対する意識が高まっています。このことが、全電動式射出成形機の需要を後押ししています。全電動式射出成形機は、射出成形機の中でも最先端の機器です。これは、省エネ、高精度、再利用性、洗浄用のオイルを必要としない低メンテナンス性、高速性など、さまざまなメリットによるものです。全電動式射出成形機は、効率性、信頼性、コスト削減、サイクルタイムの短縮、再利用性などの面で、油圧式射出成形機よりも優れています。従来の油圧式成形機と比較して、最大70％のエネルギーを節約できます。また、デジタル制御システムを採用しており、全電動式射出成形機のコンポーネントは全て機械的に駆動されます。消費電力が少ないため、ランニングコストが大幅に削減でき、液漏れやミストの発生がないため、材料や表面を汚染するリスクがありません。

抑制要因：高額なイニシャルコスト、メンテナンスコスト

全電動式射出成形機は、生産効率が高く、ダイナミックサーボモーターによる射出時間の短縮、再現性の向上、騒音の低減、加速性能を備えています。一方、高性能なため、投資コストが高く、さらに、廃棄物が出た際のメンテナンスも高額となります。モーターが故障した場合、システム全体を交換しなければならず、メンテナンスコストの負担が大きくなります。